こんにちは 東京の行政書士 横田 あずまです。

 

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こんにちは!

 

今日からは以前のブログで予告していた永住ビザの「超超」困難案件の許可事例(2023年4月許可)の事例をベースに連続特集ということで何回かに分けて書いていきます。

 

「超超」と2回繰り返しているのは、最近(2022年~2023年にかけて)取得した3件の「前科・逮捕歴・犯罪歴・退去強制歴・上陸拒否の永住ビザ許可」のうち、今回ご紹介のケースはもっとも重い素行不良のケースであるためです。

 

私が今まで手掛けた歴代の困難ケースの許可事例でも「もっとも難易度が高いトップ3~5」あたりには入ろうかと思います。

 

まずは、今回の許可の概要の流れをお伝えいたします。内容が内容だけに特定につながる可能性のある情報はすべて伏せさせていただきます。

 

あくまで同類・類似の事例(退去強制歴や犯罪歴や逮捕歴、重めの素行不良や上陸拒否などの事情あるケースで永住ビザや配偶者ビザが取れない等の事例)でお悩みの方のお役に立てていただくために、記載させていただく記事になりますので何卒ご了承ください。

 

今回永住を取った外国人Aさんとは、当初の日本人の配偶者ビザの危機の状況の時にご依頼をいただき、それ以来のお付き合いです。

 

それが、201○年のことですので、ほぼ10年近いお付き合いになる長らくのリピーターのお客様になります。

 

そこから約10年かけてようやく3回目の永住申請で永住ビザを取れたのですから、本当に長らく時間をかけて苦労しつくしてようやく手にした許可といえます。

 

実際の許可の際のお客さんとのやり取りメールはこちら。

 

(メールの相手はAさんではなく、Aさんの現在の日本人妻Bさんになります。またこの案件に関しては私が担当したものの、ご本人Aさんが自身で在留カードを受け取ることになりました。詳細は以下の説明をご参照ください。)  

 

 

 

 

 

 

 

1,申請から許可の概要(当初の日本人の配偶者ビザ許可~永住ビザ許可まで)

 

(1)申請人Aさんの基本的な状況=前妻Xとの婚姻による日配ビザでの在留の時代

 

今回永住ビザ許可をとった申請人の方Aさんは、某国籍の外国人男性です(日本人の配偶者ビザで在留)。

 

過去の日本在留中に、Aさんには以下の2つの素行不良歴がありました。

 

・200○年短期ビザで上陸し、そのまま不法残留・オーバーステイして、前妻である日本人妻Xと婚姻して日本人の配偶者ビザを許可される(在留特別許可=当時は今とは比較にならないほどに許可は取りやすかった時代とされます)。

 

・上記の日配ビザを許可されてからそれほどたたない、20○○年、某違法行為により、執行猶予のつかない実刑○年の罪にて服役することになりました(かなり重い素行不良でもっとも苦労した点)。

 

通常であれば、この罪で退去強制処分になるわけですが、当時のAさんは前妻日本人妻Xとその妻との実子(日本人)がいたためか、そして別のとある事情もあったせいか、20○○年出所後に再び日配ビザを許可されたようです(在留特別許可)。

 

ここまでは、私が担当する以前の状況なので詳細は確定しきれていない部分があります何卒ご了承ください。

 

(2)申請人Aさんの基本的な状況=現在の妻Bとの婚姻による日配ビザでの在留の時代

 

これだけのハンデを負いながらも、Aさんはとある事情からXさんと離婚し、現在の日本人妻Bと再婚します(私が担当することになったのはこの段階からです)。

 

再婚したAさんの日配ビザ許可をもらうことが、まずクリアしなくてはいけないハードルでした。


ですが、基本的な背景は圧倒的にAに不利です。実子のいる前妻Xとは離婚していますし、服役経験を伴う重めの素行不良もあるなど最悪の状況といってもよいでしょう。

 

さらに、Aさんは永久に日本上陸拒否される外国人なので、出国したら戻ってくるのは至難の業です・・(上陸特別許可狙いというのも可能ではありますが、あまりに素行面が不利すぎてリスクが高すぎ・・・) 

 

おのずといったん帰国して呼び寄せ、なんて余裕はなく(認定申請に頼ることはできず)、

 

失敗できない状況の中で、日本に在留したままで、日配ビザの更新申請(実質的には、配偶者が別人になっているので変更申請)でなんとしても許可を取らなければならなくなりました。

 

この点、Aは、実は現在の妻Bさんとは、とある事情から古くからの友人であり、上記の20○○年に服役する直前に知り合っていました。

 

知り合って間もなく服役することになったAを、Bさんは見捨てることなく、大量の文通をしたり、日本語教材を与えるなどして援助し、支え続けたのでした。Bさんは文通の手紙をすべて保管していました。

 

このようなプラスの事情を資料付きで説明したり、

 

現在の妻Bとの出会いから交際~結婚までの詳しい経緯を詳細に説明したり、

 

同時に前妻Xとの出会いから交際~婚姻生活や離婚や子のこと、2つの素行不良に関すること等についても詳細に説明したり、

 

Aの素行不良やAB婚姻について、大量の長文の手書きの反省文や上申書をご夫婦に何通も書いていただいたり、

 

などなどできるすべてをして、なんとか更新の許可をいただくことができました(当然のごとく1年ビザでしたが・・)。

 

上記の大量の文通の立証に関しては、現物の手紙すべて紙袋に満載にして東京入管のカウンターにてお渡ししました。

 

(カウンターの人に「これ本当に全部出すんですか?」と聞かれました・・・・さすがにびっくりしたようです)

 

その後も、毎回更新申請をするたびに長文の手書きの反省文や上申書をご夫婦に書いていただき、日配ビザ1年を4回繰り返した後に、ようやく3年ビザになり(2018年8月許可)、最後は5年ビザになりました(2021年9月許可)。

 

現在の妻Bさんに関しては、詳しくは控えますが、いろいろな面で入管からの評価が高いといえる方でしたので、そのあたりも毎回内容を更新して詳しく立証・説明しました。

 

同時に、Bさんのご親族の事情で、ABが週末婚状態だった時代などもあり、その点では逆に立証・説明に大変苦労いたしました・・

 

今思えば、この日配ビザ申請時代の頑張り&努力の積み上げによって、永住許可は比較的スムースにいったようにも思われます。

 

(3年ビザ1回ですぐに5年ビザになる等の動きや、対面する審査官のリアルな反応等からも感じました)。

 

(3)永住ビザ申請へ

 

永住ビザの準備を開始したのは、日配ビザが3年になった後すぐでした。

 

永住1回目(2020年5月)、永住2回目(2021年4月)、永住3回目(2022年7月)の申請にてようやく永住許可となりました。

 

Aさんは、もともと非常に真面目でポジティブで犯罪とは無縁の人です。たまたまふとしたきっかけで落とし穴にはまったような印象を受けました。

 

その証拠に、Aさんは出所後すぐに就労先を見つけて、その後最後の方には身体を壊し気味になりながらも、絶対に働くことを辞めませんでした(日本語はほぼペラペラで、服役中に猛勉強してかなり上達しました)。

 

きちんと家庭にお金を入れて、夫としての役割を立派に果たしていました。もちろん微細な交通違反もありませんし、会社は無遅刻・無欠勤で皆勤賞。職場の人間からも人気があり頼りにされていました。

 

更生ぶりは私の目にも明らかでしたので、それなら協力してもよいだろうと判断しました。もちろん妻Bも非常に協力的でした。

 

永住申請でも、毎回のように万全の内容で攻めたのですが、やはり過去の服役経験のある重い素行不良に対する入管の目はやはりかなり厳しく、基本的な姿勢として、他の犯歴ある永住申請事例の2.5~3倍くらいのハードルがあるような体感でした。

 

日配ビザ更新時代からすでに、申請のたびに毎回のように大量の長文の手書きの反省文・上申書を夫婦で提出していても、なお、永住のハードルはさらに高いもののようにも見えるほどでした。

 

しかしながら、永住不許可時の入管での審査官との面談での聞き取り調査では、審査官からのコメントや表情や内容への評価については、一貫して悪くはない感触を得ていました。

 

やはり、日配ビザ時代の反省や上申、そしてそれに見合うだけの活動内容(絶対に仕事を辞めない・微細な素行不良もしない等々)とその説明・立証は、

 

入管に対する「日本在留外国人としての信頼の貯金」としてたまっていたのだと実感しました。実は日配ビザ時代のがんばりでほぼ勝負は決まっていたのかもしれません。

 

日配5年ビザを出した時点で入管としては永住を出すつもりだったのだろうと感じます。

 

実際のところ、永住2回目の申請(2021年4月)が不許可になったタイミングと並行して、2021年9月には日配ビザの更新の方で5年ビザの許可が出たのです・・・3年ビザでも十分なはずなのに です。

 

あ、次回は永住ビザ出すな、と予感しました。

 

実際3回目は審査期間かなり長くなりましたが(2022年7月~翌年4月)&執拗な確認何回もありましたが、結局は永住許可が出たのです。

 

追加資料の要求は、定型のものですが、なぜか執拗に何回も何回も提出を要求してきました(これ何の役に立つの??必要なの??すでに出してないか??っていう不思議な通知書が何回も届きました)。

 

おそらくはABは週末婚時代も長かったので最後まで婚姻の信ぴょう性を疑っていたのでしょうか。私は最後の方はあえて、ABご夫婦から入管に追加資料を提出するようにお願いしました。

 

そして、5~6回は続いたかに思われる追加資料の要求のあと、いきなりはがきが届きました。裏面には8000円にチェックマークのみ。

 

Bさんづてに本人Aさんに知らせると、本人Aさんがすぐに取りに行きたいと強く希望したので、Aさんに取りに行っていただきました(上記の写真の携帯電話のメッセージの内容の流れにてご確認ください)。

 

(4)ちなみに、永住申請で提出した資料の概要は以下のようになります。(この案件に関しては日配ビザ申請の時代にずっといろいろと出し続けているせいもあり、永住申請でもそれほど量は多くはなりませんでした)

 

入管指定の定型の資料はすでにご存じの通りでしょうから、許可のキモとなる任意提出の説明・立証・反省を示すための資料に限定してご紹介いたします。

 

説明書等=10点。→10点の総合計は25ページ。

 

上申書=A1通(6ページ)B1通(6ページ)→総合計12ページ。

*総じて、年金滞納や交通違反の事情がないため以前ご紹介の案件よりも少なめ。罪状だけに嘆願書依頼も不可。

 

全て合計すれば説明・立証・反省を示すためにWORDファイルで37ページを作成。

 

以上の資料以外にもこれらの事情等を立証するための各資料も別途提出しています(キリがないので書きません‥)

 

(5)詳しくは次回以降ですが、ここでまず最初に言っておきたいところを書いておきます。


ビザ申請においては、とにかく立証や説明や手書きの反省文ほど強い武器はありません

 

(反省文は、一般的な内容の反省文では効果が望めません。一定の書き方があります。以下ご参照ください。)。

 

『普通の反省文で損をしていませんか?ビザ申請における反省文・上申書の本当の正しい書き方をご紹介!』こんにちは、東京都の行政書士 横田あずま です。 地元の東京周辺(池袋・高田馬場・新宿・渋谷・上野・秋葉原・東京・新橋・日本橋・銀座・品川等)のみらず、関東近…リンクameblo.jp

 

特に永住ビザ申請であれば、それ以前のビザ(日配ビザ等)の時代から全力でよい申請&よい在留活動をすることに全力を注ぐべきです。

 

勝負は日配ビザ時代で決まってしまう(というか差別化するには、信頼を回復するには)日配ビザ時代からずっと最善を尽くすしかない、ともいえるでしょう。

 

いきなり永住申請で挽回しようとしてもさらに多くの時間がかかると考えるべきです。それほどまでに入管のハードルは本当に高いです。

 

それが、こうした案件での永住許可のリアルなビザ審査の姿であると今回も再度確認したところです。

 

以上です、次回もお楽しみに!

 

当事務所は不許可案件や困難案件がほとんどで、じっくり丁寧に一件一件作成するスタイルを取ってきて日本のビザ申請一筋12年目になります。その経験や知識がみなさんのお役に立てば幸いです。

 

入管・外国人ビザ(在留資格)申請専門 行政書士 横田あずま

 

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