【日記】規制 | ヨコオタロウの日記
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それを口にしたら…
戦争だろうがっ……!



都知事選挙がありますね。
どうやったら規制厨老人を引きずり下ろせるのか考えていますが、勝てそうな候補もよくわからなくて途方に暮れる日々です。

ということで今日は規制のハナシ。



何故、規制に反対なのか?

「幼女が犯されたり、未成年同士が性交するマンガなんて読まないんだから無くなっても構わない」と思う人は多いかもしれません。

僕もそうです。個人的には無くなっても構わないジャンルのマンガです。



その話をする前にこちら。

性教育と中絶
http://togetter.com/li/75140

要約すると「安易なマンガと小説に影響されて性交渉するから不要な堕胎が増えてるんだよ!だから規制すべき」という意見です。
とりあえず、中絶数は減っているので上記意見は思い込みの一つだと思いますが。

出生数と中絶数をだらだら並べてみたり。そしたら少妊娠化が見えてきた
http://toriaezumitekitayo.blog88.fc2.com/blog-entry-230.html

それはまあ置いといて(置いとくのか)、興味深いのは以下の発言。

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悔しかったら、中期中絶手術で「おぎゃあ」と泣く胎児の子供の口を、母親に気がつかれないように、ぱたりとも動かなくなるまで押さつけえる描写でもなんでも描いてみやがれってんだ。うっとおしいな。ホント。(誰がやってると思ってんだ!)
http://twitter.com/#!/mami_non/status/10556398211440640
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お医者さんの苦労が偲ばれる一文です。
この描写、表現としては稚拙すぎて商品になりませんが、ある程度イジれば世の中の人に受け入れられるコンテンツになるかもしれません。

でももう出来ません。

規制によって、堕胎も、子供殺しも描けません。
規制は描写を対象にしていますから、描く人がたとえ「不幸な中絶を無くしたい。未成年の安易な性交はやめてほしい。だからこの表現を描きたい」と思っていたとしても、そもそも一般紙で未成年の性交を描けませんから、出版社がNGを出してくると思います。販売規制されますから商売にならないですから。

都条例で規制しようが、エロ漫画なんてどうやったって手に入ります。
そういう意味では規制したい人達の思惑は機能せず、一般的な作品から不必要なまでに性描写が削除される、そういう世界になっている訳です。



臭いモノにフタをし、未成年にはSEXなんてありえない、そういう答えしか許されません。そういった話が行き着いた極端な例を出します。

条例!18歳未満の人に避妊具を販売してはいけない県がある!
http://www.yasuda-zatsugaku.com/contents/0000021.html

この条例を考えた人は、未成年がナマでSEXして妊娠して堕胎するなんて事は一切考えなかったんでしょうね。

迷惑な話です。



都条例は他でも様々な意見が出ています。
具体的な被害者も居ないようなマンガを規制する一方で、娘を性の売り物にするような母親について規制が無いのはどうなんだ?小説は規制されないなんて不公平だ……まあ、その通りな訳ですが。

規制反対側は、そういう正当性を訴えてきたわけですけど、規制側はもうロジックもクソも無くて利権と一方的な欲望だけでバンバン規制をしかけてくるわけです。

{表現規制} 東京都議会の実情
http://zenon.jugem.cc/?guid=ON&eid=3995

石原知事「世の中には変態がいる。気の毒な人でDNAが狂っていて。幼女強姦漫画など百害あって一利なし」
http://blog.esuteru.com/archives/1959827.html

石原知事「世の中には変態がいる。気の毒な人でDNAが狂っている。」
http://jin115.com/archives/51737519.html

18歳未満に避妊具を販売しない人とか、マンガだけを規制したい人とか、僕の理解の範疇を超えます。上のリンクとか読むと、規制側と規制反対側は相互理解なんて無理なんじゃないですかね?とか思う訳です。



じゃあどうすべきか?
規制側の最大の武器は「それを職業としてやっている人達が居る」という事です。議員や、日本ユニセフや、PTAや、警察OB。
対して規制反対勢力は、マンガ家や弁護士が片手間で反対する程度。

さすがにこれでは勝てない。

映倫みたいな規制団体を作って世間様のご機嫌を伺うのも一つの手かもしれません。でも良く考えてみてください。何かをやるのに許しを請うような恥ずかしい事をやっていますかね?エロ漫画はエロ小説より恥ずかしいんですか?

僕は、規制に反対するにはもっと強い威圧力が必要なんじゃないかと思っています。それは正しく無くてもいい。狂信的でメディアが恐れを抱く、アンタッチャブルな組織(たとえば宗教や民族団体)みたいな存在。そういう有無を言わさない力でしか立ち向かえないんじゃないか、と思っています。

規制側はあまりにも理不尽なのに、規制反対側はいつまでも理性的で道理を通そうとして負けてきました。別に他に手があればいいんですが、もうそうした段階でなんとか出来る状況では無くなってきていると。

そう思わずにはいられません。



オマケ

性と暴力の表現を過剰なまでに規制しているドイツのオモチャ

ドイツの子どももウンコに興味しんしんであることを裏付ける、衝撃の知育玩具「Kackel Dackel」とは?
http://gigazine.net/news/20101220_kackel_dackel/

こっちの方がよっぽど変態的だと思います。



※大変申し訳ありませんが、本日の日記のコメントにはお返事をしない予定です。

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