【日記】漢字変換のハナシ | ヨコオタロウの日記
ヨコオタロウの日記-間違い探し〈2〉.jpg


世の中 正しいことばかりではありません。お気をつけて。
ハンター×ハンター / 冨樫義博



前回のあらすじ→「ATOK は言葉狩りしてるよね」。



差別用語が変換されない件。
まあ、ダメなんですけど、それとは全然別の話として個人的に「あんまり IME に頼りたくない」ってキモチがあります。

頭の中で想像していない漢字が変換で出てきた時に、それを使うのってなんか罪悪感があるんですよね。「こんな難しい漢字しらねーよ」みたいな。
いや、書けなくてもいいんですよ。「憂鬱」とか。書けないけど想像出来る、そういう単語は自分ルールで使ってもOK……なんか変なルールですけど。

どの漢字を使うかは自分で決める。だから、候補に出なくても無理矢理出す。
言葉の主人でありたいというか、IME の指示通りにやりたくないっす、みたいな。
「下衆」とかも漢字が雰囲気に合っていると思ったら一文字づつ変換しても無理矢理出す!……めんどくさくても。

いや、変換候補が少ないのは IME としてはダメなのでそこははき違えないで欲しいですが。



あとはあて字を使う事が多いですね。

 漢 → おとこ
 理解る → わかる

とか。全然正しく無いですが、雰囲気として使う。しかも他の漢字で置き換えが効かない。歌詞とか特にそうです。言葉を表現の一つと捉えて仕事をすると、どうしても正しく無い使い方が出てきてしまう。

中二病言葉もギャル言葉も、日本語の一般的な用法から外れています。が、あれらは新しい言葉を生み出す事への挑戦でもある訳です。そもそも言語なんて時代に合わせてコロコロ変質するもんですから、ら抜き言葉や、読み間違いみたいなものもそのうち正当な言葉になるかもしれないということで。



てな感じで、僕は言葉の変化については「変わっちゃって全然OK」という立場ですが、そうなった理由の一つに「言葉の間違いを指摘する人は感じの悪い人が多い」という過去の個人的経験則があります。まあ全部が全部じゃないと思いますし、職業でやっている人は別なんですが。

日本語の乱れ
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E8%AA%9E%E3%81%AE%E4%B9%B1%E3%82%8C

自分が長い事使っていた言葉遣いが間違ってると指摘されたら誰だってイヤな気分になると思うんですが、指摘する人の多くはそこが想像出来ないのか基本的に上から目線なんですよね。「教えてやる」的な。

伝えるなら伝えるで「それって○○って言うらしいですよ。自分もこの前初めて知ったんですけど。日本語って面倒くさいですね」くらい言える社交性を身につけて欲しいと思う訳です(上から目線で言う)。



話は戻って変換のについて。僕はメールの冒頭に

 「おつかれ様です。ヨコオです」

とよく書きます。

 「お疲れ様です。ヨコオです」

とは書きません。なんというか、漢字の「疲」って字って本当に「疲れる」感じがしませんか?しないですか僕だけですか。いや、ひらがなの方が柔らかくて疲れない感じがしたんですよね。メールで相手を疲れさせるのは本意ではありませんから、なるべくひらがなを使うようにしています。

こういうデザインの揺らぎを利用出来るのが言葉の面白いところですよね。カタカナにしたり、ひらがなにしたり、アテ字にしたり、遊びの幅が大きい。そうして生み出されていく表現の中には大勢に受け入れられて次世代の言語になるモノもあるかもしれません。

よくよく考えてみれば、100年200年前の日本語なんて既に難解極まり無い言語になってしまっている訳です。未来の言葉は想像出来ませんが、100年後にはギャル言葉やバイト言葉がメインストリームかもしれない訳ですし。



何が書きたいかだんだん判らなくなってきた上に、今日は漢字変換の話で終わってしまいました。日本語入力スタイルについてはまた今度……(まだヤル気)

□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□