【ネタバレ】アバター感想 | ヨコオタロウの日記


ヨコオタロウの日記


「あなたが見える」
AVATAR / ジェームズ・キャメロン



ネタバレしてます。注意。












アバター観ました。
面白かったです。
けれど、期待しすぎてたかも。
そんな映画です。



感心した事。

 ・深読みすれば、死生観の再構築が映画の裏テーマか?
  >段ボール棺桶とか、生命の樹(?)での再生とか。

 ・生命の樹のネットワークを中心にした生態系になっている。
  >だから、生命の樹をナヴィが信奉する。
  >だから、どの動物にもプラグ(あのニョロニョロ)がある。
  >だから、最後の星の生命全体での反攻が行われる。
   >だから人類は勝てない、という納得感。

 ・生命の樹で魂がコピー出来る件。
  >だから、シャーマンのナヴィが高い地位にいる(そりゃそうだ)
  >だから、主人公がナヴィ側についても最後はなんとかなる。
  
 ・「あなたが見える」という表現。
  >特殊な状況にならないと使われない事から、
   >普段は「あなたが見えない」という意味になる。
   >だからこれは目で見る事を指すのではない。
    >生命の樹を通して繋がる事を指しているのかも?
     >もっと何か深い意味がある気もするけど。

生命の樹を中心にして、色んな事がキレイに説明されています。
良く出来てるなあ。



判らなかった事。

 ・空気の貴重な星でシガニーがやたらタバコを吸うのは何で?
  >タバコ会社からの圧力、への何かのシニカルな皮肉か?

 ・一部を除いたメカが、妙に古いデザインなのは?
  >過酷な環境ではシンプルな機械でないとダメ?

 ・主人公やシガニーを、ナヴィがどのように受け取っているのか謎だった。
  >シガニー服着てるし。言葉しゃべれないし。
  >明らかに自分達とは違うって判る。
   >違いが認識出来ないほどナヴィ種族はアホなのか?
  >それとも外交使節団的な扱いか?
   >だったらわざわざアバターに入らなくていいよな。

 ・空中に浮いてる島が何で浮いてるのか判らなかった。
  >貴重な鉱石とやらが浮く訳じゃなさそうだし。

これらは不明っぽい。
ただ、多分考えた上での演出なんだろうなあ。



見た目

 ・圧倒的クオリティだった。
  >特に遠景を含むシーン。デカイ樹が倒れるところとか。
  >どこまでが実写だかさっぱり判らない。凄すぎる。
  >ただ、一部で言われてる「CG業界騒然」って程じゃない気がする。
   >CG屋さんの感想は「金があれば作れるよ」じゃないだろうか。
   >これを観て「ヤベエ」と今頃思うのは遅すぎる気がする。
    >その金を集めるのが大変なんだよ、には完全に同意。
  >夜の発光植物。色の選び方が下品でイヤだった。
   >歌舞伎町にああいう場所は沢山あるよ。

 ・「最後には可愛く見える」と言われているナヴィ。
  >個人的には最後まで感情移入出来なかった。
  >顔はキャッツ的な印象のまま終わった。
  >動きは「アマゾン原住民をマネするアメリカ人」にしか見えなかった。
   >たまにアメリカ人そのものの動きをしていたし。
  >異星の生物というには、あまりにもアマゾンイメージだった。

 ・3D
  >無難で品の良い3Dだった。
  >意外と飛び出していない部分も多い。
  >凄く見えるのは、CGがスゴイからであって3D由来ではないと思った。
   >これはこれで良いアプローチだと思う。

見た目はスゴイの一言。
好みに合うか?という点で合わない部分が多かった気がします。



個人的な感想。

 ・宮崎アニメに似てる、という点についてはそれほど気にならなかった。
  >よくある設定だし、上手に処理してると思います。

 ・HALO に似てる、という点については似てないと思いました。
  >敵が原色のところとかかなあ?

 ・3D・CGについては、すごかった。
  >けれど、想像の延長線上だった。

 ・ヘリのパイロットのお姉ちゃんが可愛かった。
  >容赦なく死んだのも良かった。

 ・大佐のキャラがアホっぽくて良かった。
  >葉巻が無いのが惜しい。
  >ヘリでコーヒー飲むシーン最高。
   >ずーっと飲んでて欲しかった。

いやもうとても面白かったのは事実なんですが、強烈に面白い!という感想を聞きすぎて、物語部分にも期待をしすぎてたのがマズかった。最近は「ダークナイト」や「ギャラクティカ」なんかの新しいストーリーテリング・演出方法が出てきて、「オイオイ物語ってのはどこまで面白くなっちゃうんだよ」という流れがあり、アバターにもそういう部分を期待してしまっったような気がします。超大作なんだから備えてるだろうと。

イロイロ書きましたが、面白かったですしオススメなのは確かです。
割と飽きなかったですし、戦闘シーンも良かった。
ただあんまり期待しすぎるのも良くない、という結論で。



オマケ

主人公が裏切り者である事が発覚し、ヒロインが「もうあんたなんか嫌い!どっか行け!」って言われて別れた後、主人公が赤くてデカイ竜に乗って帰ってきたら急に態度を豹変させて目がハートになるシーン。

「デカくて高級な車に乗る男を高評価」っていうヤンキー・ビッチ的な価値観が面白くて笑ってしまいました。←アバターで唯一笑ったシーン。

どの世界も変わらないなあ。