飢餓同盟 安部公房 新潮文庫 | うみパパのブログ

飢餓同盟 安部公房 新潮文庫

地震の影響で温泉が止まり寂れてしまった花園町は町長の多良根と開業医の藤野の二人が有力者として君臨している。

その閉鎖性に立ち向かおうと多良根の経営するキャラメル工場の援助で教育を受けた花井が飢餓同盟を立ち上げる。

花井は外部からも人を集めて民主的な町への脱皮を図るが守旧派と対立する。

 

両親が事業に失敗し孤児となって町から逃亡、その後ドイツに渡った地下探査技師の織木、精神病医として大学病院で無料研修医をしていたが町の診療所長として迎えられながら藤野から押さえつけられて患者のいない森など飢餓同盟のメンバーは異色の人材ばかりです。

戦後間もない時代背景に安部らしく不条理な世界観が展開されています。

社会風刺も少々効かされていますが多分に手を広げ過ぎた感じがしました。