シャーロック・ホームズ対伊藤博文 松岡圭祐 講談社文庫 | うみパパのブログ

シャーロック・ホームズ対伊藤博文 松岡圭祐 講談社文庫

宿敵モリアーティ教授との死闘の末、姿を隠したシャーロック・ホームズが日本に密航し伊藤博文の元でその類まれな推理により国際問題を解決する空想小説。

 

伊藤博文が幕末にイギリスに留学していた時に少年のシャーロック・ホームズの窮地を救い二人は知り合う。

長じてホームズは宿敵モリアーティ教授とスイスのライヘンバッハの滝で格闘の末教授を突き落とすも事後のことを考え自身も亡くなったように工作する。

しかし早くもモリアーティの配下にそれを察知され兄マイクロフトの指示で身分を隠し日本の伊藤博文を頼って密航する。

その当時日本ではロシアの皇太子ニコライが警備中の巡査によって斬りつけられる大津事件が日露間での大きな問題となっていた。

その大津事件で傷害に遭ったのは実は皇太子の弟で、その底にはロシアによる日本滅亡計画があったのだがホームズと伊藤が力を合わせてその陰謀を粉砕する。

 

まず歴史的事実を軸にホームズという架空の存在であるが世界一有名な探偵と日本の当時の最大の政治家とが力を合わせてロシア帝国の陰謀と対峙するという実にスケールの大きなお話です。

本書の著者もおそらくかなりのシャーロッキアンでしょう。

随所に名作のエピソードがちりばめられています。

伊藤に関してはホームズに合わせて相当に美化されているきらいがありますがまあフィクションだからいいんではないですか。

文句なしに面白かった。