文章執筆サロン⇨ふみサロ

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今月の課題図書は、

「もっとヘンな名湯」でした。

 

 

 

 

今回は、「ヘンタイ」をテーマに、

エッセイを書いてみました。

 

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ご存知ですか? YMOの温泉マーク!    

「お聴きになりますか? YMOのBGM🎶」

 

 

 

僕には不思議と(不思議ではない?)「自分がヘンタイである」という自覚がある。しかしそれはたぶん「ヘンタイわるいこ」なのではなく、れっきとした「ヘンタイよいこ」なのだが……なぜなら僕は「オトナになったら、ヘンシンできる」と、幼い頃から勝手に思い込んでいたようなフシがあるようで……

 

 保育所に通っていた頃、僕はスペクトルマンだった。そうして、目の前にある本を、とりあえず……全部読みするクセがついてしまった。「めばえ」や「よいこ」は、あっという間に読み終えてしまうのでつまらない。子どもの頃、「絵本の読み聞かせ」をしてもらった記憶がほとんどない。「本とは、目の前にある物をひたすら一人で早く読み終えるものである」……とは、その頃の僕の定義である。そうして、幼稚園の時に、「こどもカラー図鑑全12巻」を、最初から最後まで全ページ、すべて読破した。

 

 そのクセは治らず、小1になると、今度は図書館から「動物」「植物」「昆虫」などの図鑑を借りてきて、図鑑の全部読みを始めた。それを繰り返しているうちに、やがて図鑑に飽きてしまい、やっと小2あたりからぶ厚い児童書で「三国志」なども読み始めるようになった。しかし、小4から、また「ウルトラ怪獣大百科」「ライダー怪人大百科」「東宝特撮怪獣大百科」等を買ってきて、全部読みしてしまうクセが復活した。その為、怪獣や怪人の名前は、すべて暗唱する事ができていた。きっと、今で言うなら怪獣ヲタクだったのだろう。ちなみに、小説を読み始めたのは小5ぐらいからであるが、この頃の大量インプットは、その後の人生に役立っている。(いや、化学の元素記号は全く覚えられなかったのだから、少なくとも受験にはあまり役立っていない)

 

 そんなクセがある事もあって、令和2年4月、緊急事態宣言が発令されている最中「もっとヘンな名湯」を、真面目に全部読みしてみた。その読後感が如何なものなのかと言うと「イキたくても、イケない」という……ヘンタイ的なモヤモヤ感しか残らなかった。「さぁ、君も今すぐヘンタイになって、今すぐヘンタイな本を書こう!」

 人はタイヘンであればタイヘンであるほど、ヘンタイなものを求めてしまう生き物なのだ。……そうして、それが人間というものの、「性(さが)」なのだろう……

 

 温泉には、もやもやした湯気が漂っている。地図の温泉マークは、その様子をデザインしている。僕は温泉マークを見ると、直感的にYMO(イエロー・マジック・オーケストラ)の温泉マークを思い出してしまう。YMOの初期コンセプトは「下半身モヤモヤ、みぞおちワクワク、頭クラクラ」だった。それはまさに「ヘンな名湯」に、イキたくなってしまった時の感情に似ている。そうしてやはりノスタルジックに昭和の温泉を頭の中に思いだしてみちゃったりすると、真夜中に「効能は?」と叫んでいた、あの頃のウサギちゃん達を思い出してしまう。僕が「ヘンタイよいこ」を卒業して「真のヘンタイ」に成り始めた頃の淡い思い出だ。青春の始まりの1ページである。

(終わり)

 

♨︎今回の課題図書は♨︎

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