沢村投手(巨人)の故障と鍼施術 | 鍼灸マッサージ師として皆さんに伝えたいことのブログプラス

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鍼灸マッサージ師として皆さんに伝えたいことに加え、2024年からは時事ネタや好きなものについて、日々思うことなんかも書いていくことにしちゃいました。

 

こんな記事を見つけました。

[巨人に鍼灸団体が質問状 沢村投手に施術ミス 不安拡大]
(朝日新聞デジタル
- 09/25 16:37)
http://mixi.at/aeVYY1g


記事を簡単にまとめると

沢村投手の故障は、チームのトレーナーによる鍼施術のミスにより故障したとの発表

しかし、全国の鍼灸団体からその発表に対し、
・どんな施術が行われたのか?
・鍼施術が沢村投手の故障と判断した根拠
などを求めた質問状を巨人へ送付したとのニュースでした。


そこで、鍼灸マッサージ師の私個人としてもいくつかの疑問が出てきます。

・鍼灸団体のいうように施術内容や施術者の経験値や腕前はどうだったのか?
ちなみに、私はどこの団体にも属していませんが、数十年前にも鍼をしたせいで故障したとの話があり、未だに鍼施術の恐怖心を受けるひとつの要因となっております。

鍼も万能ではありませんし、施術者の経験値や腕前によっては逆の効果を出してしまうこともあります。

・医師の診断によると長胸神経麻痺とのことですが、医師の診断を信じたとして果たして鍼で神経組織や周り組織に対し麻痺を残すほどの損傷が与えられるのか?

確かに、未熟な技術、鍼の太さや長さ、鍼を体内へ刺入する深さや刺激量などによっては麻痺を残すほどの損傷がまったくないとは言えないとは思います。

今回のケースでは、日本でもトップクラスのプロスポーツチームである読売巨人軍のトレーナーとしてなさっている方みたいですから未熟な施術者だったということはあまり考えられないと思います。

もし、たいした経験もない施術者がトレーナーとしてやっていた場合読売グループのプロチームの選手のことを考えていないブラックチームとなってしまいますし、野球会を代表する巨人においてそんなことはないと信じてもおりますが・・・

ちなみに特別巨人ファンというわけでもありませんし個人的に好きなプロ野球チームもありません。


次に、鍼の長さや刺激量などに対してもちょっとしたことや患者さんの状態で刺激が過剰になってしまうことは考えられますが、麻痺を残すほどの損傷となると施術中にかなりの激痛を伴うことになると思います。

もし、トレーナーの施術中に沢村投手がかなりの激痛がありその後に調子を崩したとなればトレーナーの施術ミスや鍼施術が沢村投手の故障の原因といえる可能性は高まります。


つまり、トレーナーがどこへどのような施術を施し、沢村投手の故障の時期と施術の時期との関係、医師の診断の信用性や巨人として鍼と故障との因果関係をはっきりさせることにより全国の鍼灸マッサージ師はもちろん鍼灸マッサージを受ける患者さんの不安を取り除くことにつながるのではないでしょうか?



私自身これまで様々なプロ選手やアマのアスリートの方々を施術させていただきましたが、一般の方々とは違う点や選手個人の体質や特徴、種目や競技別の特徴、メンタルのケアなど色々なことに気をつけて施術を進める必要があります。

一般の方々の施術が楽でアスリートは大変という意味ではありません。

しかし、アスリートの場合筋肉の柔軟性や運動に対する感覚、自身の体に対する考え方など一般の方々とはなにかが違うというのも確かにあります。

アスリートによっては、我々鍼灸マッサージ師に負けないくらい勉強され自身の体を探求しておられるトップアスリートもたくさんいらっしゃいます。

どんな職業や種目においてもプロというのはすごいものですよね!
私も鍼灸マッサージのプロとして、医学や東洋医学に携わるプロとしてこれからも頑張っていきたいと思う今日この頃でした。

 

 

 


最後に
アスリートに対する鍼灸マッサージによるケアとしては、各症状の軽減、練習や大会前後のコンディション調整、ケガの予防、メンタルのケアなどが目的としてあげることができます。


A.各症状の軽減

鍼灸マッサージなどをしていくことによって、以下の効果を得ることが可能となります。

a.筋緊張の軽減
日常生活での筋緊張はもちろん、競技や種目独自の筋緊張を緩和し、張り感などの各症状を軽減することが可能となります。

b.血液やリンパの循環改善
筋緊張の軽減などにより、循環が改善し、自律神経系の調節を介することで、更なる循環の改善へと繋がり、様々な症状の軽減が可能となります。

c.痛みの軽減
循環改善などにより、炎症などから生じた発痛物質の排出を促進し、筋緊張による神経の圧迫での痛み軽減や鍼による鎮痛効果などによって、各種の痛みを軽減することが可能となります。

d.免疫系などを介した自然治癒力の向上
循環が改善することで、免疫系を介した自然治癒力を高め、炎症などの各症状を軽減することが可能となります。

e.自律神経やホルモンのバランス調整
筋緊張の軽減だけでなく、自律神経やホルモンなどのバランスを整えることで、更なる循環の改善、各器官の安定に繋がり、自律神経などの乱れからくる各症状の軽減が可能となります。

f.骨格などの身体のバランス調整
筋緊張や癖などにより、歪んでしまった骨格を元の正しい位地に戻すことにより、バランスの乱れから来ていた各症状を軽減することが可能となります。

g.疲労回復
上記のような効果により、総合的に症状が軽減することで、各症状からくる精神的な疲労はもちろんのこと、肉体的な疲労の回復にも繋がっていきます。


B.コンディション調整

ケガや症状があるときには、それらに対する処置を、とくにない場合には、練習などによる筋緊張軽減、肉体的精神的な疲労の回復などのケアが大切となります。

競技や種目、各選手の筋肉の質などに合わせた施術が必要となります。

また、施術のタイミングによって、施術内容も変えていく必要があります。


a.練習や大会前のケア
パフォーマンスをする上で、必要な筋肉のバランスを診つつ、筋緊張の度合いを調整していく必要があります。
特に、本番の前には、どれくらい前に施術するかによって、施術の内容を変えていく必要もあります。
つまり、本番の前日や直前に、全身の筋緊張を全てほぐしてしまうと、パフォーマンスをするために必要な緊張までもほぐしてしまうことになり、うまく力が入らないなど、よいパフォーマンスへと繋がりにくくなってしまうこともあるのです。

b.練習中や本番中
途中で、施術されるということは、少ないかもしれませんが?
施術をする前の、パフォーマンスによる筋緊張の緩和と疲労の回復、施術をした後の、パフォーマンスのためのバランス調整が必要となります。
このときの施術は、いわゆるスポーツマッサージといった手技などで、血流を改善し、尿酸などの疲労物質や発痛物質の排出を促進させるといった目的がメインとなり、それによる筋緊張の緩和などを行います。

c.練習や本番後
練習や本番により、緊張した筋肉を緩め、血流を改善し、乳酸などの疲労物質や発痛物質の排出を促進させることで、後日、疲労や筋肉痛を出づらくし、出たときにも軽度で済むようにといった目的で行います。

d.休み前
施術のあとゆっくり休養されるときには、筋肉バランスなどを考える必要がないので、全身を緩めていくことで休みが終わり、また練習を始めるためのリフレッシュとなります。


本来、アスリートを施術する際には、こういった点にも気を付けてケアをしていく必要があり、いかに、よいパフォーマンスができるかを左右することもございます。

そのため、身体のケアをするときには、「いついつ大会がある」といった情報をいただけると、それに合わせた施術メニューを組むことができますし、よりよいパフォーマンスも可能になると思います。


C.ケガの予防

a.フォームチェックや練習などへのアドバイス
筋肉の張りの強さなどを診ることにより、身体への負担を確認することでフォームのチェックや練習方法などへのアドバイスをさせて頂くことによってケガを予防することも可能となります。

b.テーピングなどによるサポート
こちらはどちらかというと悪化の予防となります。
テーピングにも様々な種類があります。
目的に応じたテープがありますが、主に関節や筋肉の固定や保護、筋収縮のサポート、保温などがあり、上手に使い分けることで運動時や日常においてサポートされていることによる安心感を得ることもできるのです。
また、関節が固定されていることや筋収縮をサポートしてくれることによる痛みの軽減といったことにも使われます。張り方さえ覚えればご自身で張ることも可能ですが、張り方を間違えると効果がなかったり、逆効果になることもありますので、慣れるまでは我々プロにお任せ下さい。
なお、過去ブログにも、テーピングやサポーターについて書いておりますのでそちらもご参照下さい。


D.メンタルのケア

a.各症状の緩和による不安の軽減
b.より健康に近づくことでの気力の充実
とくに自律神経系やホルモンのバランスを整えることによる心身の安定などの効果になります。

c.施術中の会話などによるストレス解消

これらの効果によってメンタル的にも元気になり、運動も更に楽しくなるのではないでしょうか?



 

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