最近、エアドッグという空気清浄機が出ています




高額な価格と高性能を謳っていますので、気になって調べました





TPAフィルターという、ダストをプラスに帯電させ、マイナスの電極に吸着させる電気集塵式です





ん?この構造ってどこかで見たことあるような…





あれです。通販でイオニックブリーズという商品名で販売されていた空気清浄機です






アメリカで開発され、550万台以上を販売






かつて全米シェアNo.1を誇っていました





しかし、米国コンシューマー・レポートで、全く効果が無いと酷評され、メーカーは倒産しました。

※コンシューマー・レポート
権威ある情報誌で中立性を保った専門家が様々なテストをしています




日本では余った在庫を仕入れて通販などで売られていました





現在も別の企業が生産しているとか…





エアドッグは、そのイオニックブリーズにファンが付いたような物です





電極の数や形状が違いますが、仕組みは同じです





如何にも凄そうですが、実はとても単純な構造で昔からあり、特別な技術でもありません






原理は静電気です






テレビにホコリが付きますが、あれと同じ力です





出てくる風によって、空中のホコリも帯電させますから、それらは室内のマイナスの電荷を持ったあらゆるものに付着します






確かに空気中のホコリは減少しますが、その代わりに部屋に置いてある物や、床、天井、壁に汚れが付着するのが、この空気清浄方式の特徴と言われています






この構造のデメリットは、兎に角メンテナンスが面倒ということです





フィルターレスの為、電極に付着できるダストの量が飽和してくると、ファンの風によって、ダストをぶち撒けることになります





こうなると空気清浄機ではなく、空気汚染機になってしまいます





こまめなメンテナンスが必要ですが、この電極が洗いにくいのです





もう一つは価格が高額すぎるという点です





ただし、これは日本の代理店が高額なマージンを上乗せしている為です





アメリカの公式価格は、円安でなければ日本の半額です
X5が599ドル
X3が399ドル





極めて単純なエアドッグの構造であれば4万円でも高いと感じます





かつてのダイキンは、この電気集塵式に帯電フィルター、光触媒を搭載していて5万円程でしたからね





しかしダイキンは、この電気集塵式を廃止し、帯電式のHEPAフィルターとしました





シビアな結果が要求されるクリーンルームでは、この電気集塵式は採用されていません





やはり、フィルター式の方が効果的だったのかもしれません





エアドッグは、凄そうな空気清浄機に見えますが、昔からある電気集塵式にファンを付けただけのような物です





PM2.5を99.9%除去を謳っていますが、よく見ると8平方メートルでの試験です。恐らく気密されています





畳数にすると約4.5畳での結果です





その他の試験は25平方メートルですが、フルパワーでの結果です





運転音は51デシベルとなっており、うるさくて使えません


 


ウイルスよりも小さい物質を除去とありますが、内部で発生するオゾンによって分解されているだけでしょう






ネットでは高評価が多いですが、当然です
購入者は、これだけ高額なのだから、高性能に違いないと思い込みます






エアドッグを批判するつもりはありません
むしろ、フィルターレスという他社ではイオニックブリーズしかない方式ですので、2万円程度なら買っても良いと考えます





数年後にメルカリで、一万円前後で大量に出品されるかもしれません。そうなれば、ちょっと欲しいかもw





しかし、この単純な構造を考えると10万近くを払う価値があるのかは微妙です





空気清浄機は無理してまで買うものではありません





ダイキンか富士通が性能とコスパ的には良いでしょう