あれは、私が小学校4年生の時…





先生たちの間で、万年筆の一大ブームが起こった。





教頭が万年筆を持ってきたことを筆頭に、他の先生方も万年筆を買い漁り、殆どの先生が万年筆を一本は所有しているという事態になっていた。





私の担任の先生も、例には漏れず、万年筆を使い始めた。






太目の緑のストライプの軸に、大きなペン先…





ペリカンのM800である。





万年筆=黒いシンプルなデザイン



と固定概念があった私には衝撃的だった






その美しいフォルムと、滑らかに流れ出すターコイズのインクに目を奪われ、すっかりペリカン万年筆の虜になっていた。





先生は毎週のように買い、ペリカンの緑軸を揃えていった。





背広の胸ポケットに、数本のペリカン万年筆…





教卓で連絡帳にサインをする姿を今でも鮮明に覚えている。







私のペリカン万年筆好きは、このようにして始まった訳ですが、万年筆に飽きた事はありません。





それは、ペリカン万年筆の美しさも当然ありますが、やはり、恩師である先生が使っていたという思い出も詰まっているからだと感じています。







私がペリカン万年筆を最後に買ってから、10年が経った…





万年筆には、思い出が宿る…





次は何かの節目に、買おうと思う。