あれは、私が小学生の時。




家電量販店に一つだけ異彩を放っていた掃除機があった。




ダイソンのDC12である。





電源を入れると掃除機とは思えない程の轟音を店内に響かせた。





お家芸の遠心分離により、クリアビンのゴミが勢いよく回転した。





その割に吸引力は弱く、国産掃除機の3分の1ほど。





当時は、吸引力の弱い、ただのうるさい掃除機であった。




しかも、価格は8万円を超えていた。




客にも、こんな中国製の怪しい掃除機なんて買う訳がないという目でみられていた。






そして2007年。傑作機のDC22が発売される。






これは歴代ダイソンの中でも最高傑作だと思っている。





通常のルートサイクロンに加え、コアセパレーターと呼ばれる分離装置を備え、3段階の分離を実現。





これによってメーカー曰く、最低でも7年間はフィルターのメンテナンスが不要と謳われた。





しかし、後に発売されたコンパクトなDC26によって、影を潜め、日の目を見ることなく生産終了となってしまった。







DC12と出逢った、あの頃から15年以上が経過。





コードレスの波に押され、かつての良き時代のダイソンは無くなってしまった。




しかし、昔のダイソンは私に掃除機の素晴らしさ、魅力を教えてくれた





あの頃に戻らない限り、私の指がダイソンの電源ボタンを押すことは無いでしょう…。







ダイソンDC12、そしてDC22よ。



永遠に…