お天気に恵まれた2月3日、
横須賀古地図くらぶで
古代東海道の様子が
色濃く残る葉山の木古庭地区の散策を行いました。

出発点は池上隧道そば、
木古庭に通じる古道入口です。


平安時代初めまで、
東海道は三浦半島を
通っていて走水から房総へ
海を渡っていました。

後に「鎌倉道」
「西の浦賀道」にもなり、
今では県道横須賀葉山線として大楠山と三浦アルプスに
挟まれた谷合いの道は
ずっと交通の要衝です。
今回散策した辺りは曲がりくねって高低差もある
オリジナル古道の様子を
欲張って残しています。

水の澄んだ下山川に沿って
しばらく歩くと
右手に畠山城址があります。


ここは三浦義明との
衣笠合戦の時に
畠山重忠が陣を敷いたところですがそれ以前から
三浦半島の豪族逸見氏が
築上していたという説があります。
こんもりした山城は
今でも緑豊かです。
三浦半島の中心はやがて
房総半島との合流に便利な
舟倉に近い衣笠城に移っていきます。

さらに木古庭方面へ向かうと本圓寺があります。


鎌倉時代に日蓮が
創建したとされる寺院で
広々した敷地に整備された
本堂、中を覗かせてもらうと
日蓮にちなんだ絵物語や
かごの飾られた
まばゆい装飾でした。

伝説では房総から猿島、
米が浜と渡って来た
日蓮が鎌倉へ向かう途中
この地でしばらく修養したということです。

古道づたいに尾根を登り下りしながら不動の滝に着きました。

畠山重忠が開祖との説も
ありますが
江戸時代には
富士や大山登山の前に
水ごりする場所でした。
落差5メートルで
三浦半島最大の自然滝のようです。
滝の近くには不動堂があり、
山上にあるのでいい眺めです。神明社も併設されています。


県道葉山横須賀線を渡り
上山口の棚田に向かいます。
こちらもオリジナルの
古道づたいでかなりの
上り坂です。



坂のてっぺんから
素晴らしい眺めで棚田が
広がっています。


まだ水を入れる前の
枯れた感じですが
ざっと数十枚はあります。
昭和30年位までは
「葉山の千枚田」
と呼ばれ辺り一面水田が
広がっていました。



今回の散策は千年以上
昔の道をたどりながら
豊かな歴史や自然に数多く
触れられて充実したものでした。

横須賀古地図くらぶでは
今後葉山や林などの
三浦半島西海岸地区も積極的に研究していきます。