8月9日、長崎大学病院で脳死と判定された
10歳以上15歳未満の女の子から、
移植のため、臓器を摘出する手術が
翌日の8月10日朝に行われました。
「自分のことより、人のことを考える子だった」と、
女の子の両親は語ったそうです。
その思いを受けて、臓器の摘出手術が行われました。
小児の移植医療において臓器を提供される側、
つまりドナーになられるご家族が持っている
「自分が死んでも誰かのために役に立つのなら
臓器提供を希望します。」
という本人の慈悲の精神と
「生前に娘や息子が語っていた意思を尊重したい。」
という親の勇気ある英断が非常に重要になります。
この2つの決断が一つになった時、医療チーム側との
連携が成され、臓器移植が実現し、
国内で移植を待機している小児や成人が救われます。
今回の慈悲深く、大勇に溢れた決断により移植される心臓は
10代の男性と共に生きるために東京大学医学部付属病院に
届けられました。
手術は無事成功し、男性の容態も安定しているとのことです。
私は移植とは「共に生きる」ことだと思います。
きれいごととは思わないし、美化する気もありません。
無邪気に喜ぶこともできません。
けれども、他人の息子に慈愛の光を与えてくれた
2つの決断に報いたいと
息子が移植をした日に強く思いました。
臓器移植を啓発する広告に
不慮の事故等でご自分のお子さんを亡くされた
親御さんの目線で
「娘(息子)は誰かの中で生きている。」
というような表現がありますが
私は泣けるほど事実だと思います。
これ以上の表現は無いと思います。
国内での15歳未満の子どもの臓器提供は、
今回が3例目となります。
法律的には15歳未満の子供たちの
心臓移植は可能ですが、
まだまだ認知が低いことや、
医師から提示された際の理解が得られにくいことなど
待機している子供達には厳しい状況です。
拘束型心筋症の子や
補助人工心臓を装着した子、
0~2歳の重度の拡張型心筋症の子供たちは
移植を待たなければならいない可能性が大きい。
しかし、国内では3年間でわずか3例となっています。
このような社会的背景もあり
私たちのように渡航移植にかける子供たちもいます。
国内でもっと移植に対する知識を多くの人たちに
広めていくためには
命を全うしたら・・・
人生の最後には・・・
「誰かを救える」という選択肢を
一つ増やせばいいと思う。
そんな風に思います。
もちろんそれは個人の判断です。
このたびの心臓移植の
ドナーの方のご冥福を心よりお祈り申し上げます。
そしてレシピエントの男の子とそのご家族の
明るい未来をご期待申し上げます。
元気になったら由宇人と一緒に
ジャスコに行く約束を果たしましょう。
そして、現在渡航移植に向けて
募金活動を継続中の「るいくん」の
応援もよろしくお願いします。
るいくんを救う会
告知
8月25日(日)に新潟ドリプラに出ることになっています。
新潟のみなさん、なぎくんが元気になってよかったですね。
当日は「スコップ団ハート」でお伺いします。
みなさんにお会いできることを楽しみにしています。
※私達家族は臓器提供意思を「提供する」にしております。