本人すら意識不足だったのですが、
3年前の5/30は由宇人が元気に帰国をさせて
いただいた日です。
昨日帰りの新幹線の中で了ちゃんに言われて
ハッとしました。
そういえばそうだった。
5月というこの時期が何故か愛おしく感じるのは
そのせいだったのか。
そんな思い出深い日に
渡航移植を決めた際に大変お世話になった
トリオ・ジャパンさんに表敬訪問をしてきました。
スコップ団ハートの活動を始めてからずっと、
キチンと会って協力体制をとらせていただけないかなと
思っていたからです。
一人だったらいつでも行けたけれど、
どうしても了ちゃんにも同席してもらいたかったから
彼が東京で用事があって尚且つ、
自分もスケジュールを調整できるタイミングが
合った日が偶然にも5月30日でした。
トリオさんとの情報交換の内容は、
由宇人の近況報告、
ここ1年での小児の渡航移植の状況、
国内における改正臓器移植法が
現状では国際基準にまで達していないこと、
移植や募金に対する
見返りを求めない善意と感謝、信頼
誤解、批判、
個人の価値観の問題だから
賛成も反対もどちらも正解であるということ。
震災後のスコップ団の活動とスコップ団ハートを
立ち上げた背景のこと。
いろんな意見交換ができました。
少し専門的なお話をすると
臓器移植の基礎研究・臨床の発展、
継続教育・学術情報の提供や
倫理綱領の策定などを行う
「国際移植学会」という
国際的な学術団体があります。
世界65か国に3000名以上の会員を擁していて
本部はカナダのモントリオールにあります。
その国際移植学会を中心として
平成20年(2008年)にイスタンブールサミットが
開催されました。
そこで協議された内容は
臓器売買・移植ツーリズムの禁止、
自国での臓器移植の推進、
生体ドナーの保護を骨子とする「臓器取引と
移植ツーリズムに関する
イスタンブール宣言が採択されました。
移植ツーリズムとは
分かりやすく言うと他国から臓器移植を希望する患者を
受け入れることによって、
自国の患者が移植医療を受けにくくなるから
自国の国民の命は自国で救命してください。
ということです。
これまで、日本では、臓器移植法で15歳未満のドナーからの
臓器提供が禁止されていたため、
小児の臓器移植のほとんどを渡航移植に依存していましたが、
イスタンブール宣言以降、
平成22年(2010年)に改正法が施行され、
国内での移植が可能となりました。
しかし、まもなく3年が経過しますが
国内の小児の臓器提供の実績は数例しかないという現状です。
こういった国内の移植事情にもより、
止む無く、渡航移植をしなければ救命できない子供たちが
これからも出てくることもあるでしょう。
その場合は、「5%ルール」にあまえさせて
いただくという方々がほとんどです。
5%ルールとは
かろうじて他国の患者を受け入れる体制が
整っている国の病院ごとに(現在はアメリカとカナダのみ)で
年間の移植実績の5%の人数であれば
移植手術が受けられますよ。
という外国人枠のありがたいルールです。
例えば息子がお世話になったコロンビア大学病院の
その年の移植実例数が100だとした場合、
外国人の枠は5人ということになります。
(日本以外の国籍の患者も含みます)
拡張型心筋症や拘束型心筋症の子供たちを
救命する選択肢に渡航移植はこれからも
重要なカードとしてご家族の前に提示される
ことは続いていくでしょう。
今回、スコップ団ハートはトリオ・ジャパンさんに
活動内容をお伝えしたことで、
調印式のうような仰々しい儀式はありませんが
存在を承認いただき、アドバイザー団体として
渡航移植を決断した
ご家族にご紹介をいただけることになりました。
渡航移植の経験者がいる勝手に人助け任意団体として。
これまで胸に引っかかっていた一つの違和感が
すっと取れた感じがします。
それもこれも
私一人の力では成し得ません。
いつも協力してくれているみなさんのおかげです。
マジでそう思います。
私たちは「情報発信とアンカー」をこれまでどおり
できる範囲で続けていきたいと思います。
みなさんの気持ちをたすきに込めて。
近いうちにまたみなさんの力を借りるかもしれません。
その時は
よろスコップお願いします。(久しぶりに使ってみました)
ありがとう。一緒に話を聞いてくれて助かったよ。
君がいる安心感はまるで
ゴーイングメリー号に乗っているかのようです。
君は渡航を目指す子供たちの希望の一つの星。
だからと言って構えることはない。
これからも君の個性が輝くように
パパは応援して行きます。

