また忘れそうなので、書いておきます。よこしまもようです。


タイトルの「ぼくのきんぎょ」。これ、絵本のタイトルです。

文・松野正子 画・荻太郎

童心社の本で、初版昭和47年でした。


とても素敵なお話だったんです。

大人が読んでもじ~んとくるような・・・。


以下、ネタばれです。


学校の帰り道のもみじの木の下で、おじいさんが金魚を売っているんです。

偏屈そうで、むすっとタバコをふかしている感じ。

子供たちは、金魚を買う、というのですが

おじいさんは、まず家に帰れ、そしてバケツに水を入れて

日に当てろ、というんですね。

できれば、一晩置くのが望ましいと。

水道の水にぼちゃんと入れたら、「俺の金魚」が可哀想だと。


そんな風に自然に、金魚のお迎え方がレクチャーしてあったり、


ある子が、毎日おじいさんの金魚を眺めにくるんです。

描写から多分キャリコだと思うのですが、

その金魚の形容が「女王」!

その「女王」に願をかけて、男の子は毎日通うんです。


弟が、ケガをして、手術をしなくちゃいけない。

手術しても、歩けなくなるかもしれない。

そんなことにならないように、願っているのだと、

この金魚が売れなかったら、願いがかなう気がすると、

おじいさんに話すんです。


するとおじいさん、値札にマルを書き足すんです。

最初500円だったんですよ。

それでも子供には高くて、みんな手が出なかったんですが

おじいさんが気に入らない大人のお客が来た時に、

売りたくなかったのでしょう、500の後に00をふたつつけて

50000円にしちゃうんです。


願かけの話を聞いたあと、おじいさんはナイショで

さらに0を足すのです。

売れてしまわないように。


夏休みに入り、子供が来なくなっても

おじいさんは、もみじの木の下で 金魚を売り続けます。


ある日、願かけの男の子が松葉づえの弟を連れて

おじいさんのところへやってくるのです。

金魚を見に。


誰も買いにくるひとが来ないのに

何故売り続けたのかと思っていたんですが

ああ、おじいさんは、この子を待っていたんだと

気が付いたときに、私、思わず泣きそうになってしまいました。


その後、少しお話は続くのですが、

最終的に、おじいさんはその子と弟に

「女王」をあげるのです。


おじいさん、渋いなあ~。

作者の方は、絶対金魚がお好きだと思います!


手元に欲しくて仕方ないのですが

どうやら絶版のようで(涙)。

運が良ければ、図書館にあるかと思いますが

どうかなあ・・・。閉架にあるかどうかといったところかも・・・。


金魚お好きな方には1回読んでいただきたい絵本でした。

いや、今思い出してうっすら涙ですよ(笑)。

久しぶりに、じ~んとしました。


保育園の先生!!いらなくなったら下さい!!!!!

あ。そうなんです。息子の保育園の身体測定待ちで

読んでいた絵本のひとつでした。


・・・・うっ、やっぱり泣けます!