子どもの成長に欠かせない「音楽」と「ことば」。
その原点ともいえるのが、日本に古くから伝わる「わらべうた」です。
近年では、保育園や幼稚園の現場でも改めて注目され、子どもの心や身体の発達を支える教育的な価値が見直されています。
この記事では、わらべうたとは何か、その歴史や特徴、そして保育の現場での活用法までをわかりやすく解説します。
わらべうたとは？
わらべうたとは、昔から子どもたちの遊びの中で自然に歌われてきた日本の伝承童謡のことです。
親から子へ、子から孫へと世代を超えて歌い継がれてきたわらべうたには、作者が特定されていないものが多く、地域や時代によって少しずつ歌詞や旋律が異なります。
代表的なわらべうたには、「かごめかごめ」「ずいずいずっころばし」「あんたがたどこさ」「通りゃんせ」などがあります。
これらの歌を耳にすると、どこか懐かしさを感じる方も多いのではないでしょうか。
わらべうたは、単なる「遊び歌」ではなく、日本語のリズムや音の響き、美しいことばの表現が詰まった文化的な宝物です。
わらべうたの歴史と文化的背景
わらべうたの起源ははっきりとは分かっていませんが、平安時代や鎌倉時代にはすでに存在していたといわれています。
当時は大人が子どもに教えるというよりも、子ども同士の遊びの中から自然に広まりました。
戦前までは、子どもたちが外で遊ぶ中で「わらべうた遊び」をする光景が日常的に見られました。
しかし、戦後の高度経済成長期以降、生活様式の変化や遊びの多様化により、わらべうたは徐々に姿を消していきます。
それでも、地域の行事や保育園・幼稚園での活動を通じて、今もなおわらべうたは生き続けています。
そこには「子どもの心を育てる力」「日本語のリズムを自然に身につける力」「人とのつながりを感じる力」があるからです。
わらべうたの特徴
わらべうたには、現代の音楽とは異なる独特の特徴があります。
まず挙げられるのは、「シンプルな旋律」と「覚えやすいリズム」です。
短いフレーズの繰り返しが多く、子どもが自然と口ずさめる構成になっています。
これにより、子どもたちは音の高さやリズム感を無理なく学ぶことができます。
また、歌詞には季節の風物や自然、生活の様子が多く登場します。
たとえば「ずいずいずっころばし」にはお茶や壺、「通りゃんせ」には神社の参道など、昔の暮らしが生き生きと描かれています。
このような歌詞を通して、子どもたちは日本の伝統文化や自然の豊かさを感じ取ることができるのです。
さらに、わらべうたの中には「ことばあそび」や「数えうた」の要素が多く含まれています。
「いっぽんばしこちょこちょ」や「てるてるぼうず」のように、リズムと言葉を楽しみながら親子のふれあいが生まれる点も魅力です。
保育現場でのわらべうたの役割
近年、保育士養成の現場や保育園・幼稚園では、わらべうたの教育的価値が改めて注目されています。
その理由は、わらべうたが子どもの発達にさまざまな良い影響を与えるからです。
まず、音楽的な効果として「リズム感・音感」が育ちます。
自然なテンポと抑揚の中で歌うことで、音の高低やリズムを身体で感じることができます。
これは、将来的な音楽表現の基礎にもつながります。
次に、言葉の発達を促す効果があります。
わらべうたの歌詞は短く、リズミカルで繰り返しが多いため、子どもが自然と語彙や発音を覚えやすいのです。
言葉遊びを通して、日本語の響きの美しさや表現の豊かさを楽しむことができます。
また、親や保育者とのふれあいの中で歌うことで、心理的な安定感も生まれます。
特に乳幼児にとって、抱っこしながら優しく歌ってもらう時間は、心の安心感を育てる大切なスキンシップのひとときです。
さらに、わらべうたには「集団での遊び」を通して社会性を育てる効果もあります。
輪になって歌う「かごめかごめ」や「花いちもんめ」などでは、順番を待つ、ルールを守る、友だちと協力するなど、生活の中で大切な力を身につけることができます。
現代の保育におけるわらべうたの活用
現代の保育では、ピアノ伴奏のある歌やリトミック活動が中心になる傾向がありますが、わらべうたを取り入れることで保育の幅がぐっと広がります。
例えば、朝の会やお昼寝前の落ち着いた時間にわらべうたを取り入れると、子どもたちが安心して過ごすことができます。
また、戸外遊びや行事の中で季節のわらべうたを歌えば、自然や行事への興味を引き出すきっかけにもなります。
保育士自身の声だけで楽しめるのも、わらべうたの大きな魅力です。
楽器がなくても、声の抑揚や手遊びを通して子どもたちとの心の距離を近づけることができます。
わらべうたを学ぶなら横浜高等教育専門学校
保育士や幼稚園教諭を目指すなら、子どもたちの感性を育む「音楽表現」や「わらべうた」を学ぶことはとても大切です。
横浜高等教育専門学校（ヨコセン）では、音楽やリズム遊び、伝承文化を大切にした教育を行っており、わらべうたを実際に保育現場で活用できる力を身につけることができます。
ヨコセンの授業では、単に歌を学ぶだけでなく、「どんな場面で、どんな子に、どのように伝えるか」という実践的な視点を重視しています。
現場経験豊富な先生が、一人ひとりの学生に寄り添いながら、保育者としての表現力と子ども理解を深めるサポートを行っています。
また、ピアノ初心者でも安心して音楽教育を学べる環境が整っているのもヨコセンの特徴です。
少人数制のクラスで丁寧な指導を受けながら、保育現場で自信を持って歌い、表現できる力を育てていきます。
ヨコセンで学ぶことは、単なる「資格取得」ではなく、「子どもたちの心に寄り添う保育者」として成長すること。
わらべうたのように、温かく、心に響く保育を実践できる人材を育てています。
まとめ
わらべうたは、日本の伝統と文化が息づく大切な童謡です。
単なる懐かしい遊び歌ではなく、子どもの心・言葉・音楽性・社会性を豊かに育てる教育的な力を持っています。
保育者として、子どもたちの成長に寄り添う中で、わらべうたは「人と人をつなぐことば」として大きな役割を果たします。
現代の保育現場でも、わらべうたを通じて日本らしい情緒や優しさを伝えていくことが求められています。
横浜高等教育専門学校では、そんな子どもたちの心に寄り添い、伝統とあたたかさを大切にできる保育者を育てています。
あなたもヨコセンで、未来の子どもたちに「うたと笑顔」を届ける保育者を目指してみませんか。