実は納豆関連で、面白い話を聞きました。
納豆ダイエット、
まんざら真っ赤な嘘でもないみたいなんで。
流行にまでなったメタボリックシンドローム、という言葉の
生みの親ともいえる、日本肥満学会理事長・大阪大学名誉教授の
松澤祐次先生という方がいらっしゃるんですが
その方に以前インタビューした友人が、
「納豆はダイエットに有効」との内容の話を聞いたそうです。
ただ、確証となるデータ的なところは、先生もまだ得ていなかった
そう。この手の話はそれこそ、メーカーとか業界団体とかが
納豆普及のために、金と時間をかけて、
場合によっては数年間、十分な治験者を対象に
じっくり実験をして、世にその効果をアピールしていくもんなんだそうです。
それを、一介のテレビ制作会社が
毎週の放送に合せて、強引に短期間で
数字を出そうとしたところにそもそもの問題がある、ということで。
ここまで知って、ハタと気づいたのですが
これって、結構他人事じゃない問題。
我々マスコミ業界は、つねに放映日なり締め切りなりの
時間的制約に追われて動いています。
一方、掴んだネタの裏取り(複数の情報ソースから
裏づけを取る、得たデータの正当性を検証する)に
かかる時間って、与えられていないことも多くって
ちょっと自信ないけど、見切り発車しちゃえー!ということも
あるわけです。
時間や上司や発注先と戦いながら、
この辺にどのくらい拘れるかが、良い仕事をする
&後で問題を起こさないためのポイントなんですが、
大概ぎりぎり、きつきつのスケジュールで動くことの
多い制作現場では、その心理的余裕がないことも大きいわけですよ。
ここからは想像ですが、たぶん「あるある」をつくった制作プロは
上記の松澤先生が言っておられるような学説を
どこかで入手したんだと思います。
ただ、それは裏が取れなかった。
でも、番組の性格上、裏づけ無しの構成はありえない。
発注元のフジなども、テーマ自体は大乗り気でやっている。
企画をつぶしたり、変更したりはもうできない。
下請けのプロダクションが
あそこまでの捏造に走ったのは、そういうこと
だったんじゃないのかなー、と。
ただ、これだけネットが発達している社会で
アメリカの学術論文にしても何にしても、
素人がその気になって調べればすぐにわかっちゃいますよね。
バレやしない、という気持ちがどこかにあったのなら、
それこそ視聴者に対する愚弄というもんです。
現に、スクープした週刊朝日も
そもそものきっかけは垂れ込みでもなんでもなく、
「ほんとかよ?」という素朴な疑問からだったみたい。
普通に取材しただけで、これだけ
ボロがでちゃったようですよ。
ということは、
万が一の発覚に備えて、隠蔽を
行なう試みすらしなかったということですね。
非計画的でその場しのぎのニオイを感じます。
(もちろん、隠蔽自体あっちゃならないことですが)
ところで、「検証されてないが、納豆はダイエットに
効く可能性があるらしい」ということが明らかになりましたので
私の大好きなにっけいしんぶん新聞さん で
「これだけ沢山の人が、煽られて納豆食べたんだから、
みんながそれぞれデータを申告すれば膨大な被験者データが
あつまるんじゃないか?」という秀逸な提案がありました。
ほんとにネットでやってみたら、「あるある」が見つけられなかった
驚異的なデータが集まったりして!
でも、もう無理だろうなああ。。。。