最近、はやりかこの言葉「落ちた偶像」。
一時やんやと持ち上げられた経営者が、不祥事やら裏の顔やらを露呈して
その評判が地に落ちるパターン、多いですねやたら。
時代の寵児、若手ベンチャーヒルズ族の期待の星ホリエモン
→粉飾決算等々がバレ逮捕
物言う株主として株主軽視の会社と戦う 村上どん
→一般株主の利益を不当に搾取するインサイダー取引で逮捕
日産の救世主 カルロス・ゴーン→業績悪化でなかば戦犯扱い
行政改革のご意見番、コーポレートガバナンスの専門家 オリックス宮内会長
→村上との怪しい関係はじめ槍玉に。
常々思うんですけど、こういう「偶像」を作り上げて
本質を見抜けなかったマスコミが、もっともその責任を
問われるべきなんじゃなかろうか?
もともと企業なり経営者なりって裏の顔と表の顔の
両面を持って存在しているわけで、表向きどんなに
クリーンなことを言っててもかならずダークな部分はある
わけですよ。
おそらくその両面をしっかり見極めて、
そのバランスで企業や人とは判断すべきなの
だと思う。
ただ、上記の人々は、これまで表の顔が
余りにもハデで、光を浴びてて、記事にしやすかった。
華やかで誌面受けも映像ウケもいいし。
だから安易に、彼らが言うことをそのまま流してきた。
かくいう私も、身に覚えがあります。
大手電機メーカーの事業子会社の
トップに落下傘就任した、もともと、その事業分野には素人の
社長が一時期「革新的な経営者」として業界で話題になった
ことがありました。たまたまその会社が親会社から
分社化された後、見事業績を復活させて一部上場を
果たしたというタイミングだったので、世の論調は賛美色一色。
だけど、数年後その会社の業績は地に落ちてしまったのです。
同業他社が当然のように持つ稼ぎ頭も無く、社長も飛ばされ、
早くも再編の噂に上っています。
担当を代わったあとの出来事でしたが、
あのとき、もっと厳しい、会社の方向性をしっかり
分析した記事を書けていれば。
この会社は違う方向に行っていたかもしれないのに。
悔やむばかりです。
マスコミなんて、実は当時者の事情のほんの一部しか
知らない人の集まりだと思うんですが、
そういった人たちがその見えやすい一部の情報を疑いも無く
記事や映像にすると、それが一人歩きしてしまう。
極めて、危険なことだと思います。
自分がそういった責任を持つのだと、自制しながら
やるほかないんで、私は自らを戒めつつ先に進むつもりです。
ただ、今ライブドアや村上を批判している多くのメディアの
中には、ほんの数ヶ月前まではまったく逆の立場の記事を
書いているメディアも多いわけで。
いくら落ちても、あそこまで恥知らずになりたくはないのう・・。