うちのオフィスの近くに、外資のデベロッパーが作った

ガラス張りの非常に目立つビルがあるんですが、

にわかに有名になったシンドラー印のエレベーター

今のところは無事、稼動を続けております。


前に担当していた電機業界のおっさんらの中には

初めて行く店の周辺のビルに

突如猛ダッシュ

する人がたくさんいました。


え??ナニ?

と思ったら、ビルについてるエレベーターの

メーカーを確認してるんですね。


というのも、エレベーターって実は設置すると、そのあとの

メンテナンス需要が永続的に落ちてくる製品で

一回売ったらその後も長いスパンで稼げる、

ということで、コンピューターとかITシステム

とかが電機メーカーの食い扶持になる前は

結構みんな必死にエレベーター受注を

取ろうとしていたみたいです。


その名残もあるんでしょうか、電機業界の人は

なにかとエレベーターに愛着があり、かつうるさい人

が多い。


「なんだこの止まり方の荒さは!」


とか


「やっぱり東芝製品は、回し方がなってねーなー」


とか。(素人には理解不能ですが)


ちなみに、日立製のエレベーターは

間違っておしちゃった階のボタンを

即座に2連打すると、取り消すことが

できる、と教えてもらったのもこういう人たちからでした。


確かに、エレベーターの制御っていろいろテクが

あるらしくて、止まり方、発進のしかた(床に置いた卵を

微動だにさせず動く超静かなエレベーターとかもあるらしい)、

大きなビルで、たくさんの利用者がいろいろな階から

乗るとき、数基のエレベーターをどう動かしながら

対処するか?とか


素人にはわかりませんが、

結構いろいろとノウハウがあるらしいです。


でも、そういうハイクオリティな製品(=適当な値段はかかる)

を出すメーカーが、3社もある国で、この手の事故が

起きてしまうというのは、どういうことなんでしょうか?


事故を起こしたシ社のエレベーターは、確かに

今回のことが起こる前にも前出のビルで何度か乗った

ことがありましたけど


確かにボタンを押してからの

反応スピードや

カゴのゆれ具合に

これまでに感じたことのない

恐怖感を感じました。

(((( ;°Д°))))


そのビルって、外見からして異様に目立つ

デザインビルで、多分デザイン性を考えて

オサレ?な外国製のやつを入れたんだろうなー


でもこの乗り心地はほんとに最悪だ。


と最初乗ったときは思っただけだったんだけど

まさかそんないわく付きのエレベーターだったとは。



日本のメーカーのものづくりの精神というのは

確かにすごくて「20年間一度も止まらないコンピューター!」

とか「卵も割れないエレベーター!」とか

をホイホイと作っちゃうわけです。

そしてそれは、日本の消費者も求めているから

に他ならないんですが。


国内のエレベーターのシェアは

国内メーカー3社が圧倒的であるため、

3社以外のエレベーターに乗る

機会が自体が、そもそもみんな少ない。 

    ↓

メーカー側の血のにじむような努力で

作られている「エレベーターの安全性」は

水や空気のように、普通にタダで手に入るもの

である。


と勘違いしてしまった、住宅供給公社(?)の人

がたくさんいたのではないでしょうか?


だいたい、スイスの機械・精密機器業界って

昔は有名でしたが、日本の台頭で80年代以降は

業界そのものが消滅してしまった、という歴史も

あるといいます。


安いからといって、公共性の高い

、しかも絶対の安全性が求められるところに

そうした海外製品を設置しちゃった神経がよくわかりません。


特に今はやりの高層マンションでそんなことを

やるかね。ほんとにナニを考えているんだか。


これからどうなるのかな?8800台?のエレベーターを

全部撤去、とっかえ工事をするんだろうか。

その費用は誰が出すの?

結局、最初は安くても、物凄い高い買い物を

してしまったことになるわけで。