こんにちは。



金田音楽教室の金田です。




「音楽教育は、一に教師、二に教師、三に親、四に子供。」



これは桐朋学園大学音楽学部の前身「子供のための音楽教室」の創始者である斉藤秀雄氏の言葉です。



指導する側としては、重い言葉と受け止めて日々指導しています。



初歩のピアノ学習者に限らず、たしかにどんな先生(指導者)に習うのかは重要な問題です。



でも、残念ながらそのことを知らずに、家が近いからとか、楽しそうだからなどの理由で先生を選んでいる方が多いのも実情です。



指導なさっている先生方は、皆、音楽が好きで一生懸命に指導してくださっている方ばかりだと思います。



自分の音楽観とあっている先生を選ぶのが一番よいのではないかと思います。



でも、実は「先生選び」はとても難しいことなんです。



私も「選ばれる先生」になるようがんばりたいと思い、日々精進しています。



でも、優れた素晴らしい先生についただけでは、ピアノはうまくならないのです。



初歩のピアノ学習に必要なのは、子供よりもまず、家庭環境、家庭での教育です。



子供のピアノ学習に対して、ご父兄がどれほど真剣で熱意のある態度を持って接しているかということが大事です。



習い事の種類が多くなってきた現代は、そのようなご父兄は少なくなってきたように思います。



「うちの子は、別に音楽家にするわけじゃないから、てきとうでいいんです!」



そのように言う方もいらっしゃいます。



お気持ちはよーく、わかります。



でも、ちょっと違うような気もします。

ピアノは練習しないとうまくなりません。



レッスンを始めたての数回のレッスンでは練習をあまりしなくてもよいかもしれませんが、少しずつご自宅で練習してくることが出てきます。



最初は毎日5分くらいの練習でも大丈夫かもしれません。



その頃から、ご父兄は近くで練習を見守る姿勢があると良いと思います。



演奏内容をチェックしろと言っているわけではありません。



練習を促す、励ます、見守るという姿勢がほしいのです。



ある生徒が、「日曜日は練習するとパパがうるさい!というからピアノの練習ができません。」と言ってきたことがあります。



きっと連日のお仕事で、お疲れのお父様なのでしょう。



でも、子供がピアノを弾く環境としてはあまりよくありませんね。



その子の練習時間は、1日30~45分くらいでした。



低学年のかわいらしい女の子です。



指導者の立場からすると、



いくら疲れていても、日曜日の30分くらいピアノを弾いてもうるさいと言わず、どんな曲をやっているのか聞くくらいの気持ちがほしいと思いました。



このご家庭を非難しているわけではありません。



ただ、このご家庭には、子供がピアノを弾ける環境がないということです。



だからといって、この子のピアノが上達しないわけではありません。



でも、本来持っている力を100%発揮することはできないでしょう。



少し残念に思います。



私は、どんな家庭環境の子でも、誠意をもって指導するよう心がけています。



ただ、今は、昔のピアノレッスンと変わってしまったんだなー・・と思うことがよくあります。



時代の流れとともに、習う人の心構えも変わり、指導教本も変わり、レッスン形態も変わるというのは当然なのでしょうね。



子供にたくさんの習い事をさせる今の時代、他の習い事のようにすぐに結果がでないのがピアノかもしれません。



ピアノがうまくても、ピアノでは食べていけない(職業にできない)から・・というご父兄の言葉を耳にしたことがあります。



でも、ピアノ学習で大切なことは、子供自身がピアノを好きかどうかということです。



もしも、ピアノが好きでたくさん弾きたいと言ったらば、やらせてあげて下さい。



先のことなどわかりませんから、好きなことを伸ばしてあげることが重要だと思います。



そこから何かを学び取り、また音楽以外の別の興味が出て、いろいろが可能性が広がっていく・・・ということがあります。



ピアノ学習に限らず、好きなことをとことんやらせてあげるということは大切だと思います。



では、また明日[E:paper]