こんにちは。



金田音楽教室の金田です。




私が、ピアノを教えるときに生徒に対して思い続けている言葉です。



ピアノ教育に限らず、全ての教育に通じることだと思います。



小さいときに急激に成長する子もいれば、のんびりと歩み、だいぶ大きくなってから急激に伸びる子だっているからです。



かつて教えていたA子ちゃん。



この子は、指がぐにゃぐにゃしていて、力もなく、ペタペタとピアノを弾く子でした。



どんなに、工夫してトレーニングしても、手の形がなおらず、音楽家になるわけじゃないから、楽しく弾ければいいのだろう・・・と思っていました。



手の形は、10のうち1だけできるように要求して、あとは曲を弾くほうに力を入れていました。



音楽家になるわけではないので・・。



センスの良い子なのに、残念だなと思いました。



A子ちゃんは、決まった教本を使っていましたが、同時に好きな曲も、どんどん弾いていきました。



大人になっても、好きな曲をひとりで譜読みして弾ける子になってほしいな、と思いながら、手の形については最小限のことを教えました。



決してあきらめずに・・。



ところが、



A子ちゃんが中学生になった頃から、急に指がしっかりとしてきて、手の形がきれいになって、いい音がでるようになってきたのです。



そして、ソルフェージュの勉強もしていたので、聴く力も養われ、こちらの要求したことができるようになっていました。



教本もかなり進みました。



ベートーヴェンの曲などは、指の力が弱くて弾けないだろうと思っていたのに、中学になったら急変しました。



↑良い意味で・・。



さらに、びっくりなことがおきました。



「先生、私、音楽に進みたい。」



あの、かよわい音で弾くA子ちゃんが音大に進む?



かなりびっくり・・でした。



信じられない!!



でも、私はあきらめず、見捨てないでA子ちゃんをみてきました。



表現のしかたや、曲の背景など、細かなことはしっかり教えてきたつもりです。



あとは、音大の先生が、A子ちゃんの演奏を聴いてなんと言うか・・。



先輩の先生の紹介で、某音大の教授をなさっているF先生に、1度みていただくことになりました。



手の形、タッチの弱さなど、注意されてたぶん進学は無理、と言われるだろうと思っていました。



でも・・・・・・・・・。



F教授からは、「この子の手は、これから成長するんだよ!」と言われました。



当時、A子ちゃんは中学2年生だったし、曲もひと通りの曲は弾けていたので、F教授からはOKをもらいました。



嬉しかった~。



それよりも強く思ったこと。



あきらめないで、見捨てないで良かった~・・・。



結局、A子ちゃんは、時々F教授のところにピアノレッスンに通っていましたが、高1まで私が教えて、高2からF教授に引き渡しました。



A子ちゃんは、都内の音大ピアノ科に合格しました。




子供は、成長に個人差があります。



最初、ちょっと変?と思っても、先生があきらめたり、見捨てたりしないことです。



皆が音大に進むわけじゃありません。



音大に進むほうが少ないかもしれません。



でも、



いつ何が起こってもいいように、先生は、あきらめず、見捨てないで、必要なことを教えるべきだと実感しました。



ピアノ劣等生のような子に見えたとしても、数年後に急に変わることがあるんです。



私は、そういう子を何人も見てきました。



もちろん、音楽に進むレベルではないですが、素晴らしい開花というのにふさわしい変化がおこる場合が少なくありません。



あきらめない。見捨てない。



大事なことですね。



ずーっと、そう思いながら指導しています。



自分本位でなく、生徒の望みをかなえる・・って大変だと思います。



でも、生徒のために教えるのだから、がんばります。



では、また明日[E:paper]