こんにちは。



金田音楽教室のピアノ講師・金田陽子です。



装飾音といっても、ひとことでは言い表せないほど、たくさんの種類があります。



モルデント、プラルトリラー、トリル、ターンなど…。



書いてある音符の上の音から弾く、下の音から弾くなど、決まり事はありますが、10人が弾いたら10人とも違った演奏に聴こえるかもしれません。



一定の決まりに従って、あとは好みやセンスによって変わってくるのが装飾音です。





↑ 『バッハの装飾音』ウォールター・エマリ 著



バッハは、いつもこの本を参考にしています。



私が購入した時、すでに古本でした(笑)



でも、たくさんのピアニストのかたが良書だ!と言っている本です。



バッハの装飾音、ハイドンやモーツァルトの装飾音も、それぞれ違いますが、どの曲にも共通する事は、自然に、美しく聞こえるよう演奏する事です。






以前、チェンバロの師匠が「装飾音のある部分には意味がある。」と言っていました。



たとえば、フレーズの変わり目や、音符を長く伸ばしたあとなど。



作曲家も「このあたりに、装飾音でも入れてみようか⁈」なんて適当に作っているわけではありません。



さらに昔、パイプオルガンを習っていた時は、師匠の装飾音の弾き方が、とても美しいと思った記憶があります。



同じ弾き方でも、微妙なタイミングの違いで華やかに聴こえたり、洗練された雰囲気を出したりします。



師匠が即興的に入れる装飾音の華やかな事にも感動しました。



即興的に入れる装飾音も、意味のある場所で入れていると言っていました。






それとは別にフォルテピアノ(現在のピアノの前身)で弾く装飾音は、雰囲気が違います。



当時の楽器の音色を知った上で演奏すると、演奏に深みが増すかもしれません。



ハイドンやモーツァルトの装飾音も同様です。



私は今、同じ曲を違う楽器で演奏したものを聴き比べしています。



特にフォルテピアノの演奏をたくさん聴いています。



雰囲気が違って良いです。



スタインウェイなどのピアノとの違いも感じることができます。



装飾音についても、フォルテピアノについても読みやすい本がたくさん出ています。



CDもたくさんあります。



ピアニストなら小倉 喜久子さんや、久元 祐子さんなどが、CDも書籍も出していますので、ご興味のある方は購入してみて下さい。



演奏の聴き比べ、是非やってみて下さい。



ピアノは同じ、曲も同じでも、ピアニストが変わると雰囲気が違いますので。



また、ピアノが違うと、音色自体が大きく変わるので良いですよ。



本を読んだりして理屈で固めるより、たくさんの演奏を聴いて、自分に合う弾き方を工夫するほうが有意義です。






バロック〜古典期の装飾音は、自分の気に入った美しい演奏を真似してみるのも良いと思います。



「学ぶ」は「まねぶ(真似ぶ)」からきていますから、真似してみましょう。



どんな装飾音でも、音符にいどむのではなく、優しい気持ちで弾くと良いと思います。





↑ CD『輪舞(ロンド)』小倉喜久子


フォルテピアノでモーツァルトを演奏しています。





↑ 『ピアノの歴史』CD付き 小倉喜久子 著


ハイドン、モーツァルト、ベートーヴェン、シューベルト、ショパン、シューマン等が愛した楽器の音色が聴けます。


オールカラーで、わかりやすいです。



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たくさんの演奏を聴いて、センスを磨くことも装飾音を美しく弾く早道かもしれませんね!



私は、上手な演奏者の装飾音を聴くのが大好きです。



とても気持ちいい〜って思います(笑)








素敵な演奏を目指して頑張りましょう。



楽しみながら弾きましょう。



では、また明日[E:paper]