こんにちは。



金田音楽教室の金田です。




ノクターンは、夜の情景をつづった曲で、叙情的な旋律と流れるように動く伴奏が特徴です。指先の技術より、ペダルの使い方などが難しいかもしれません。



このノクターン嬰ハ短調(遺作)は、切ない悲しげな旋律が心に残る美しい曲です。



映画「戦場のピアニスト」の劇中にも演奏されたことで有名です。





ピアノリサイタルのプログラムに載るような大曲ではなく、アンコールで弾くのにふさわしいような、こじんまりとした曲です。



そのためか、この作品は「ファースト ノクターン」と言われることがあります。生徒に最初に弾かせるノクターンとしてふさわしい曲と言われています。



私も、初めて弾いたノクターンがこの曲でした。(大昔・・。)




当時は、短調の暗く悲しげな曲調に過敏に反応する子供だったので、感動して、いっきに弾いた記憶があります。(今、弾いてみると、ちょっと重苦しい感じもしますが・・。)




「遺作」というのは、きちんと出版されなかったために作品番号がないものです。この曲は、ショパンの妹のルドヴィカに捧げられたもので、「ノクターン」の題名はルドヴィカがつけ、公表するつもりはなかったようです。




「ノクターン(遺作)」として出版されたのは、作曲してから45年後です。(ちょっとびっくりしますね!)




楽譜も、ヘンレ版、ウィーン原典版などには、この20番が入ってますが、パデレフスキ版には入っていません。エキエル版は不明。(ごめんなさい!調べていません。)





ノクターンの左手伴奏型は2種類あります。(例外はありますが。)         



①横に流れるようなトリプレット(3連音型)や6/8などの音型をともなっているもの。



②縦割りで、しっかり動くデュプレット(2拍子型)や4拍子型の音型をともなったもの。





いきなり弾くのではなく、楽譜全体をよく見てから弾き始めると伴奏型の特徴などもわかってくると思います。




ノクターンを学習したり、教えたりするときの練習法として、旋律だけを弾いてみたり、歌ってみたりすると良いです。




旋律の上下動にともなうダイナミクス(強弱)や、緊張と弛緩の変化などが理解できるでしょう。




ちなみに、その他で、特に有名なノクターンは、変ホ長調 作品9-2です。明るくて綺麗な曲です。ほとんどの人が耳にしたことのある曲です。



ピアノを弾かないかたは演奏を聴いてみて下さい。どちらもおすすめです。



では、また明日[E:paper]




*追記* 



パデレフスキ版にも、この「嬰ハ短調(遺作)」が入っているようです。私のパデレフスキ版には入ってないのですが。直輸入のパデレフスキ版と、ジェスクから出ている版の違いなのか、調べていないので不明です。私の持っているのはジェスクから出ている楽譜です。