こんにちは。



金田音楽教室の金田です。




ピアノメソードは、基本となる「メイン」の教本があり、そのほかに「テクニック」や「併用曲集(レパートリー)」「ワーク(ドリル)」のようなものがセットになったものが多いです。



もちろん、すっきりとメイン教材だけでできているメソードもあります。



各メソードの表紙は、巻が進むにつれて、色は変わっていることが多いですが、だいたい同じデザイン(絵)のことが多いです。



同じような表紙の教本を何冊もやって、次の巻に進んでも同じ表紙。



たったこれだけのことですが、子供にはたいくつでつまらないと感じることがあるようです。



レッスンではピアノを弾く以外にも、ソルフェージュなどを含む楽しい内容を取り入れています。



でも教本に関しては、気分転換もかねて、違う楽譜をあえて併用曲集に使ったり、途中から他のメソードに変えてみるということをしています。



少しダラダラと練習して進みの遅い子も、これで急激に何曲も弾いてくることがあります。



よほど弾くことに執着していない限り、同じような表紙の楽譜を使っていると飽きてくるようです。



そのメソード自体は素晴らしくても、子供の中に刺激や変化を与えるために別のものに変えることも必要だと思っています。



演奏において得意な部分を伸ばすような曲を選んであげたり、苦手な部分を補うための曲を選んでさりげなく弾かせる・・・というような工夫もしてあげるとよいのではないでしょうか?



将来音楽に進む生徒は別ですが、進まない生徒には飽きない工夫が必要かと思います。



いくら、メソードの勉強会や指導法のセミナーに出ても、生徒に対する気くばりや思いやりがなかったら意味がありません。



私達は、生徒にピアノを楽しんでもらうために指導しているのです。



勉強会やセミナーに出て、自己満足するためではありません。



全て生徒のためなのです。




余談ですが、中学のときの音楽の先生は、私が中学を卒業するときにウィーンに留学しました。



素晴らしい経歴をお持ちの先生なのに、まだ勉強するの?・・・と思った記憶があります。



そのとき、ウィーンにいる先生に「私は将来音楽の道に進むことに決めました。」と手紙を出したことがあります。



先生からお返事がきて、そこには、



「音楽家は、つねに謙虚な心を持って前進すること。」



と書かれていました。



さらに、



「おごることなく、相手のことを考えて行動する思いやりのある音楽家を目指してください。」



と書いてありました。



その先生の言葉は、今も重く心に響いています。





生徒募集をしてたくさんの生徒を教えて嬉しい・・・そんな気持ちは指導者なら皆持つことでしょう。



自分も音楽教室の主(あるじ)になったと喜びもするでしょう。



でも、



何のために教えているのか。



誰のためのレッスンなのか。



そのあたりを改めて考えてみると良いと思います。



職業としているのですから、収入を得るのは当たり前でしょう。



でも、「ビジネス」とわりきれないのが音楽の世界ではないでしょうか?



たくさんの生徒を教えて、自立できるくらいの収入を得られたら素敵なことでしょう。



でも、いつでも、どんなときでも、



誰のためのレッスンなのか。



何のために教えているのか。



そう自分に問いかけてみてください。




お金のため・・・なんて言葉が出ないことを祈ります。



お金は必要ですけど、1番の目的は違うでしょう。



そんなことを時々、考えることも大事ですね。



では、また明日[E:paper]