こんにちは。
金田音楽教室の金田です。
ピアノを指導するにあたって、とても刺激をうけた著名な方々がいます。
もう、お亡くなりになっている方もいらっしゃいますが、ご紹介します。
①福田靖子(ふくだやすこ)先生
ご存知の方もいるかと思いますが、全日本ピアノ指導者協会(ピィティナ)の創設者です。
私は学生時代、お会いしてお茶をご馳走になったことがあります。
一般参加もできる「日本音楽教育研究会」・・そんな名称の会で、学会だったのか詳しい名称の記憶がないのですが、希望に燃えていた学生時代の夏休みに、その会に参加したのです。
でも行ってみたら、そこに来ている方々は、大学教授の方、音楽教育家、作曲家、演奏家の方など年齢も上ですが、経験豊富で実績のある方ばかりでした。
学生は、もしかしたら私ひとりだったかもしれません(笑)。
テーマごとにグループになって、ディスカッションすることになったのですが、そのグループにいらしたのが福田靖子先生でした。
福田先生は、私のような若輩者がこんなことを言っては生意気かもしれませんが、豪快で明るく、誰にでも優しく、はきはきとしていて楽しい方でした。
「場違いのところに来てしまったようで申し訳ありません。」
と私が発言したら、福田先生も他の方々も優しく受け入れてくださいましたが、話の内容も難しくてよくわかりませんでした。
話し合ったテーマも全く覚えていません[E:sweat01]
休憩中に福田先生がお茶に誘ってくださって、数人でお茶を飲みました。
私が、まだ学生だがピアノ指導に力を入れている・・ということを話したら、
「たくさん勉強して、人の気持ちがわかる、すぐれた指導者を目指してください。」と言ってくださいました。
ピティナのイベントについてや、今後やっていきたいことなどについていろいろ話してくださいました。
10年先のことまで考えて行動しているような印象をうけ、目先のことだけ考えず、先々のことも見すえて行動するようにとのアドバイスもうけました。
まだ、ピィティナがそれほど有名でなかった頃の話です。
福田先生は人をひきつける話術、明るい雰囲気があり、オーラのようなものを感じる素敵な女性でした。
②大村典子(おおむらのりこ)先生
ピアノ教育家でもあり、ヴィヴァルディ研究家としても有名な先生です。楽譜や著書も多数。
学生時代から、指導のために大村先生の楽譜をたくさん使わせていただきました。書籍もほどんど読んだと思います。
セミナーにも何回も参加しました。
私の楽譜や本には、大村先生のサイン入りのものが多いです(笑)。
生涯学習、ファミリー連弾などに力を入れていた時期もあり、そのころの講座やコンサートはかなり影響をうけました。
ピアノは子どもだけが弾くものではない・・・という言葉は心に残っています。
また、家族みんなでピアノを楽しもう・・というのにも心ひかれました。
大村先生の連弾楽譜には、ピアノが弾けないお父さんのために1本指で参加できる曲も多数あります。
たのしくピアノを弾く、という大切なことを再確認させてくれた先生です。
③成田剛(なりたつよし)先生
くわしい経歴は存知あげないのですが、元名古屋大学教授で、音楽教育家の先生だと思います。
ピアノ指導者になりたての頃の話ですが、バイエルにかわる教本はないかと、ヤマハの楽譜売り場の楽譜を端から全部見て、探した時期があります。
そのときに出会ったのが、成田先生の教本「ゆめのミュージックトレーン」シリーズでした。
指導法に関する書籍も出されていて、柔軟な考え方に共感をおぼえました。
ソルフェージュ指導に関する教材や書籍もたくさんあり、今でも読み返すことがあります。
楽譜も書籍も、今は絶版となっているようですが私の根底にある考え方は成田先生の影響を受けています。
そうは言ってもさまざまな教本を使って指導してきました。
でも、成田先生の教本を使って育てた生徒は高い確率で音楽関係の道へと進みました。(備忘録より以下に記載します。)
音大進学(フルート、トロンボーン) 2名
国立大・教育学部(音楽) 2名
宝塚歌劇団 1名
幼稚園教諭・保育士 4名
他の教本を使っていたときよりも、多い人数でした。
この教本を使っていたころは生徒数が18人くらいだったので、すごい確率だと思います。
べつに音楽関係に進学しなくてもよいのですが、進学したいと思ったということは、それだけ音楽が好きだった、音楽に興味があった・・ということですから良いことだと思っています。
生徒の気持ちを考えて作られていた教本だったんだなー、と今でも思い出すことがあります。
④呉暁(ご あき)先生
武蔵野音楽大学でソルフェージュ指導もされていた呉先生。
何度もお会いする機会がありました。
子ども向けのソルフェージュの本は、今も人気の教材です。
私の持ってるのは、もうすっかり茶色くヤケています(笑)。
そして、
絵も可愛らしく、カラーの楽譜「うたとぴあのの絵本」も有名です。
ソルフェージュ指導に関する書籍は、何度も読み返しています。
さらに、
私にバルトークの「ミクロコスモス」の指導法を伝授してくださった先生でもあります。
実際にお会いして、質問・疑問をぶつけながらレッスンしてくださいました。
柔軟な考えをお持ちの素敵な先生でした。
⑤江口寿子(えぐちかずこ)先生
ピアノ指導者であり、音楽教育家でもある江口先生は、音感教育に力をいれ、「一音会ミュージックスクール」の創設者であります。
「一音会」は、絶対音感をつける指導で有名な教室です。
絶対音感については、今でもさまざまな議論が取りざたされていて、絶対音感が必要か・・・ということについて、私自身の言及は避けますが、導入期の音楽指導の部分で影響をうけました。
江口先生は、導入期の指導は子どものペースにあわせて教えて、「心を育てる指導」と「ピアノを好きにすること」を目標にとおっしゃいました。
最初の指導目標は、音符をよめるようにすることでも、手の形をきれいにすることでもないと言われびっくりした記憶があります。
でも、先生は心理学も研究なさっていたので説得力がありました。
現在は、相対音感があれば、絶対音感はいらない・・・という考え方のほうが強いような感じがしますが、私は絶対音感に関することよりも、導入期の指導に関する考え方に共感をおぼえました。
余談ですが、「一音会」はいまだに人気のようで、たくさんのお子さんが通っているそうです。
江口先生の話題を出すと、絶対音感賛成者と見られてしまう可能性がありますので、相対音感についても少しだけお話しします。
絶対音感をつけたいなら「一音会」で学ぶ。
相対音感を積極的につけたいなら、バスティンやペースなどの全調メソードを使うとよいと思います。
他のメソードでもよいのですが、全調メソードは特に相対音感をつけるために優れているそうです。
私自身は絶対音感、相対音感について何が良いかと言える立場ではありませんので、念のため。
いろいろな方々のお話を聞き、私なりの指導法を確立すべく今も勉強中です。
他にもたくさんの先生方の、素晴らしい考え方を聞くことができ、影響を受けた方はたくさんいるのですが、今回は私がまだ学生の頃に影響をうけた方々をご紹介しました。(先生方のご経歴が間違っていたら申し訳ありません。)
では、また明日[E:paper]