こんにちは。



金田音楽教室の金田です。




幼児または小学校低学年の生徒がピアノを始める場合、教本選びにとても気をつかいます。



人気のあるピアノ教本はたくさんありますが、ピアノを習っている子ども全員が、その教本を好きというわけではありません。



幼児は特に、興味の対象がバラバラです。



その子の個性を見極めて、マッチした教本を与えたいです。



ソルフェージュ指導についても同じです。



Aちゃんは楽しそうにやっていたことが、Bちゃんは全く興味を持たず知らんぷり。



なんてこともあるかもしれません。たいくつなのに、がまんして先生につきあっているだけとか・・。



本当に選びきれないほどの教本があります。



どれを選び、どのように子どもに楽しさを教えていくか・・・。



本を与えて、練習させればいいというわけではないから難しいんですよね~。



手の形、表現力、歌うこと、耳の訓練、読譜力・・などを教本の進行に合わせて指導しなければいけないから。



どちらかというと、本の進行より早く読譜、ソルフェージュ関係は進んでいないと先に行ってつまづくかもしれませんね。



教本の名前を具体的にあげたほうがいいのかな??





私が思うことは、



素晴らしいピアノメソード(教本)があって、指導研修などもマジメに受けて、確かに良い教本だ・・・と思っても、生徒全員に適しているというわけではないことです。



そして、だいたいの本は「導入」か「1巻またはA」などから始まって、5~6冊終わるとブルグミュラーなどの曲に進める・・というものが多いですが、それを、マジメに6冊くらいやっていては、曲に偏りが出ると思います。



併用曲集やテクニックの本も、同じシリーズであったりすると、それを全部使っていれば、確かにある程度弾けるようになるでしょう。



でも、子どもはたいくつだと思います。



そこまで厳格に、指導研修などで勉強してきたことをマジメやっている方はいないと思いますが、ごくごくたまーに、そういう方を見かけることがあり、少しおそろしくなります。(失礼なことを書いてゴメンナサイね!)




導入教本としては、バスティン、バーナム、ペース、グローバー、トンプソン、オルガンピアノの本、ピアノどりーむ、ピアノランド、ギロック、バイエル、メトードローズ、ピアノスタディなどをはじめとして、他にもたくさんあります。



音符が中央ドから左右に広がっていく、ト音記号もヘ音記号も同時に覚えていくタイプの教本と、バイエルのようにト音記号から始まっていくタイプの教本の区別ははっきりとさせておかないといけませんね。



導入の段階で基本の教本に加えて、あれこれと何冊も与えて、ドリル(ワーク)の宿題まで出す・・というのは個人的には「勉強」って感じでやめています。



最初が肝心・・・という気持ちはわかりますが。



初めは無理なくゆるやかに、そしてだんだん増やしていくのが良いのではないでしょうか。



その中で、発表会やコンクールなどを経験することもあるでしょう。



そこで、いつもよりがんばって成長する。(ほめることも忘れずに)。



家での練習は、ご父兄の協力もいるので無理のないようにしたいですね。



音符が読めて、リズムがわかって、歌うことができれば、どんな教本でも生徒は育つと思います。



生徒本人が、「楽しい」と感じる気持ちがなければダメですけれど。



指導者の役割は、そのあたりが難しいのではないかと思います。





ブルグミュラーも絶対やらなければいけない教本ではありません。



私の教室の生徒は、やっていない子がたくさんいます。



いろいろな曲を弾いたあと、ソナチネアルバムに入る子も少なくありません。



四期の中から幅広く曲を与えて、自分の表現ができるようになればいいと思います。



ちなみにブルグミュラーをやらずにソナチネアルバムに入ったKちゃんという生徒は、国立大学の教育学部(音楽専攻)に入学しました。



もう私の教室にはいないのですが先日、メールで「先生、私ってブルグミュラーやってないよね?」



と書いてきたので、



「だって、好きじゃないから弾きたくないって言ってたじゃない!」



と返信しました。



そしたら、



「友達はみんな弾いたことがあるし、結構いい曲があるから今、弾いてます。」



という返事が返ってきました。



大学生になって興味が出てから弾くブルグミュラーの演奏はさぞ素敵だろう・・と想像しながら嬉しくメールを読みました。



曲(教本)の順番にこだわらなくてもいいのです。



好きであれば、必要なときに弾きますから・・。



優れた良い生徒を育てるために、臨機応変にいきましょう。



テクニック的にちょっと難しい曲を弾かせると、がんばって弾いてひとまわり成長するかもしれません。



テクニック的に少し簡単な曲をあえて弾かせると、表現豊かに余裕をもってきれいな音色で弾くかもしれません。



でも、このようなやり方にも個人差があり逆効果なこともあります。



ふーっ、ホントに生徒の指導は難しい・・・[E:sweat01]



いろんなタイプの子がいるから面白いとも言えますが。



生徒をよーく見て教本を決め、選曲しましょう。



教えながら、私達もいろいろなことを学びます。



是非、音楽の素晴らしさを多くの人に伝えて下さい。



笑顔でね!



では、また明日[E:paper]