9話中編です。
ウンタクに『二度と目の前に現れないで!』と言われたトッケビでしたが、忙しく働くウンタクの姿を少し離れた所からずっと見守っています。
一面の銀世界の中を一心に歩いて行くウンタク。
その少し後ろを距離を保ったまま付いて行くトッケビ。
靴が雪を踏んで、キシキシと音を立てながら…二人の足音が同じリズムを刻んでいます。
雪で覆われた林に差し掛かり、ふと歩みを止めるウンタク。
ずっと付いてきた足音も消えてしまい、ハッとして振り向くウンタク。
そこには後ろを付いて来ていると思っていたトッケビの姿が見当たりません。
少し悲しげな表情で、再び前を向いたウンタクの目の前にトッケビの姿が…。
驚くウンタクに向って、ゆっくりと近付いて来るトッケビ。
ポケットから成績表を取り出して『試験、上手くやったようだな。』と言ってウンタクに差し出します。
『これも口実でしょ!』と怒ったように成績表を取り上げるウンタク。
『この口実でも出来て嬉しい。こうしてでも、お前に会いに来る口実…。』と優しくウンタクを見つめるトッケビ。
『私に会いに来てどうするんですか?口実を作ってどうするんですか?一緒に生きよう、一緒に死のうと?私が、また現れたら殺してやるって言った?言わなかった?いいですよ。来て下さい。剣を抜いてあげます。それをそんなに願うなら、抜いてあげます。来て下さいってば!早く!』と、トッケビを睨みつけるウンタク。
言われたとおりウンタクに近付くトッケビ。
目の前に立つトッケビを見て『このお方は最後まで!』と呆れたように言うウンタク。
トッケビはウンタクを見つめたまま、何も言わず
ウンタクの手を取り、剣が刺さっている辺りに持って行きます。
トッケビを睨みつけたまま『やめて下さい!』と言うウンタクに『やれ。やらないと。』と表情を変えずに言うトッケビ。
トッケビを見つめる目に涙が溢れ…『離して!』と泣きながらトッケビを叩くウンタク。
叩くのをやめて泣き出すウンタク。
『あの時からなの?あのホテルで決めて、あの時からこんなふうに…。』
あのスイートルームで『おじさん、私を愛してるの?』と尋ねたウンタクに『それが必要ならそこまでしよう。愛してる。』と言っていたトッケビ。
『だから、私を愛したんですか?違いますか?それもしなかったんですか?』と涙を流しながら尋ねるウンタク。
『怖い。凄く怖いんだ。それで、お前がずっと…必要だと言ってくれたら良い。そこまでしろと言うなら良い。そんな許しのような口実が…出来れば良い。その口実で私が…ずっと生きていられたら良い。お前と一緒に…。』と、ウンタクの泣き顔を見つめるトッケビ。
何も言わずに見つめ合う二人は、音の無い真っ白な世界に包まれて行きます…。
夜になり、部屋に戻ったウンタク。
トッケビが外にいるような気がするのか…考え込んでいる様子のウンタク。
そして…ウンタクのいる部屋をずっと見守るトッケビです。
翌日、お客さんからワックスをかけるように言われてスノボを係りの人に渡すウンタク。



勢いよく倒れて来た棚にぶつかって、気を失うウンタク。

床に倒れ込んで身動き一つしません。
その頃、家に戻って来ていたトッケビの所へ『何で、一人なんだ?その他抜け落ちた者は?会えなかったのか?』と死神がやって来ます。
『会ったけど、来ないと…。』と答えるトッケビに『まるで書類を提出するのを待っていたかの様に名簿が上がって来た…こんな事は初めてだ…。その他抜け落ちた者の名簿が来た。』と、トッケビに名簿を見せる死神。



でも、トッケビが見るとそれは真っ白な一枚の紙です。
本当にウンタクの名前が書いてあるのか⁉︎と尋ねるトッケビに『書いてある。今回の様な事は初めてだ。まるで誰かが必ず死ねと言って背中を押しているようだ…』と死神。
スキー場にやって来てウンタクを探し回るトッケビ。
電話も通じず、どこを探しても見当たらないウンタク…。

『あの子の前に何度も死が訪れる。既に何回かそういう事があったでしょう?これからもっと起きるだろう。今までの事故よりもっと頻繁に、もっと強く。』そう言っていたハルメの言葉が…途方にくれるトッケビをさらに不安にさせます。
遠のく意識の中で、トッケビとの記憶を辿るウンタク。





『そこまでしろと言うなら良い。そんな許しのような口実が…出来れば良い。』そう言っていたトッケビの言葉を思い出しながら
『必要です。そこまでします…愛しています。』とウンタクが呟いた瞬間!トッケビが立つゲレンデのライトが大きな音を立てて消えてしまいます。
生命が行き来するその瞬間に、トッケビを想ったウンタク。


倒れているウンタクを抱き上げて…意識のないその顔を見つめながら歩いて行くトッケビ。
無事に病院のベッドの上で目を覚ましたウンタクの目に最初に映ったのは…ズラリと並んだ医師たちの姿。


入院費の心配をするウンタクにユ会長が直接来られて入院の手続きをされた…と説明する医師。
それを聞いて安心したのか『申し訳ありませんが、どなたかマッチかライターお持ちの方は…?』と尋ねるウンタク。
その質問に顔を見合わせる医師たち。
ケーブルカーに乗り、山頂を目指すウンタク。


医師からもらったマッチを吹き消しますが…現れないトッケビ。
吹き消したマッチを見ながらガッカリするウンタクですが…

顔を上げたウンタクの瞳に涙が溢れてきます。

ケーブルカーの降り口にトッケビの姿が…。

ケーブルカーを降りたウンタクは、差し出されたトッケビの手を取らずに『すごく驚いたでしょ‼︎来ないかと思った!私が火を吹き消したらすぐに現れないと‼︎目の前にいないと!!』と泣きながらトッケビの胸を叩きます。
『先に来て手を取ろうかと…』と少し困ったようなトッケビ。
『知りません!もういいです!』と拗ねて行ってしまうウンタク。
先に外に出て山頂に立つウンタクを後ろから抱き締めるトッケビ。



そして『私も…』と囁くトッケビ。
意識が遠のく瞬間に『必要です。そこまでします…愛しています。』と呟いたウンタクの言葉に答えたのでしょうか…?
でも、何のことを言っているのか分からないウンタク。
ウンタクは『私…告白する事があります。』と言ってトッケビの方を向きます。
『私、もうおじさんに見えるものはありません。背が高くて、服が高そうで、目が凄くステキで…見えるものはそれで全部です。だから、私もうおじさんの剣を抜きません。笑っても抜きませんよ。私の目には…おじさんは今でもすっごく綺麗です!』そう言って微笑むウンタク。


微笑むウンタクを見つめながら、そっと頭を撫でるトッケビ。


そのまま…いつまでも見つめ合う二人を太陽の光が照らします。

太陽の光が白の世界を美しく染めて…その夢のような風景の中に溶け込んで行くトッケビとウンタクです。ここは本当に美しいシーンでした

『顔は白くて、唇は赤くて、黒い服に黒い帽子を持っているんです。』と、いつもの占いのおばさんに話すソニ。


ソニの話を聞いて霊視(?)したおばさんは驚いたように『もしかして、挨拶した?その男は死神だよ!黒い帽子の男に気を付けろって言ったでしょう!』と怒鳴ります。
『そんな事でお客さんが来るの!?男に気を付けていたら恋愛なんてできないわよ!死神ですって!?何を言ってるのやら…。』と5万Wをおばさんの前に叩き付けて立ち上がるソニ。
ふと、思い付いたように『じゃあ、こんな男はどうよ?背が超高くて、私よりはお兄様みたいで、ちょっと恐竜顔で…声を聞くと世界で一番小さなカフェにいるような気分になる…みたいな?』と尋ねるソニ。
驚いたように少し考えて『コン・ユ?』と答える占い師のおばさん

コン・ユ氏ファンのブロ友さんから教えてもらったのですが、韓国でコン・ユ氏は「恐竜顔」と言われているそうです。そして「世界で一番小さなカフェ」というのはスポンサーのKANUのキャッチコピーだそうです。これを知らないと???ですよね!
『じゃあこれで…。』と呆れて帰ろうとするソニに『どこかでキラキラ光るものを一つ貰わなかったか?』と声を掛けるおばさん。
『それ、どうして分かったの!?』と、もう一度おばさんの前に座るソニ。
『はやく捨てなさい!その主人が誰だか分からない物を貰うんじゃないよ!そこに何が込められていることか!元の主人の恨み、罪、恋しさ全て込められているんだよ。』

その占い師の言葉に不安な気持ちになるソニ。
店に戻り、『どんな思いが込められているのか…?』と呟きながら指輪を眺めるソニ。

店の外からソニを眺めていた死神が姿を消したまま、店の中に入って来ます。
スマホを見ながら『キム・ウビン部長さんはまた潜水(?)ね…。』と呟くソニに心の中で謝る死神。
死神の文句を言いながらメールを打つソニを見て慌てて自分のスマホを取り出す死神ですが、ロックが解除できなくて焦ります。
『忙しいんですか?今、何をされているんですか?』と声に出しながらメールを打つソニに『はい、おかしくなりそうです!ロックを解除しようとしています!また音が出そうで!』と答えながら大慌ての死神。
何回も失敗したので暫くスマホが操作できなくなってしまいます

『どうして連絡しないんですか?』とメールを打つソニに『それは…最初に、あなたの記憶を消した申し訳なさのせいです。二つ目、(巻物の女性に)私が浮気心を持ったみたいな事のせいです!すみません!私も、こんな私が本当に混乱していて…。』と死神がソニに頭を下げていると死神のスマホからメールが届いた音がします。
驚いて、キョロキョロと辺りを見回すソニ。
スマホの画面に『会いたいです。』と表示されたソニのメッセージを見て『私もです。』と切なそうに呟く死神。
そんな事とは夢にも思わないソニは、誰もいないのに音が聞こえたので『また何でなの!?いいえ、聞こえない!私は聞いてない!』と自分に言い聞かせています。
怖くなったのか、賛美歌を歌い出すソニ


突然、立ち上がって『そこにいるのは全部分かってるんだからね!出てきなさいよ!』と叫びだすソニ。

威勢が良かった割に再び賛美歌を歌い出すソニが可笑しくて可愛くて仕方ない死神です。
ウンタクを迎えに来たつもりのトッケビでしたが、ウンタクが手ぶらで出てきたので『家に帰るんじゃないのか?』と驚きます。

クリスマスシーズンで報酬が良いから、ここでバイトを続けると言うウンタク。
『いつまで?いつまでいるんだ?ここに。』と拗ねるトッケビに『二月まで…』と微笑んで去って行くウンタク。
『二月!?』と驚いたトッケビはスマホを取り出しユ会長を『クビにして欲しい者がいる、できなければスキー場の雪を全部溶かすぞ!』と脅迫するトッケビ

で、クビになったのか?一緒に帰ってくるトッケビとウンタク。

玄関で出迎えてくれた死神に『ただいま帰りました。すみませんでした。心配すごくされたでしょう?』と謝るウンタク。荷物は全部ウンタクに持たせて、自分はメミル君だけ!?
『私はちょっと。凄くしたのはこの者。探し出したのはドクファ。』と死神。
『連れて来たのは私。』とウンタクに微笑みかけるトッケビ。
『戻って来る所ができたのは初めてで…気分が変です。もう、ここが自分の家のようです…。』と感慨深げなウンタク。
また、そんな事を言って…とコートを脱ごうとするトッケビに『そのまま着ておけ。お前は私と一緒に行かないと…。』とトッケビを睨みつける死神。
ちょっと驚いた顔のトッケビを見て『私のおじさんを何処に連れて行かれるんですか!?』とトッケビの前に出てガードするウンタク。

それを見て『私の…って…言った


『ドリーム・ハイ』でもキム・スヒョンの妄想シーンでこんなシーンがありましたが、『シンデレラのお姉さん』のパロディ???
『全部聞こえてるんだよ!この縮んだトッケビが!!!』とトッケビを怒鳴りつける死神。
驚くウンタクに『私のって言ったのが嬉しいって。』と言い、『早くついて来い!メミルくんは置いとけ!』とトッケビに怒鳴って出て行く死神。
文字数制限が怖いので、今回はここまでです

トッケビがウンタクをバックハグしたシーンは冬ソナの雪山と同じ場所かなぁ?とっても美しいシーンでしたね

シリアスなドラマなんですが、所々に楽しいシーンがあってホッとします

では、最後までお付き合い頂いて有難うございました

画像お借りしました。