
『お茶を飲む部屋』で向かい合って座るトッケビと死神。

今日、ウンタクは死ぬところだったのに話さなかったのは何故だ!?と問い詰めるトッケビにそれがあの子の決められた命だ…と答える死神。
『誰がそうするんだ!?私が出来ない事は私の死だけしかない。私があの子のために、この世の全ての人間の生死に関与しようか!?』
『おい!お前…私の仕事場で…!』と呆れる死神。
『ところで、今日の事故はどう考えてもおかしい。数日前にあの事故を見たんだ。でも、そこにウンタクはいなかった。前にあの子の10年後の姿も見た。だけど、これは死ぬほどの事故だった。』
あの事故で亡くなるのが「その他抜け落ちた者」の運命でなかったとしても、トッケビがウンタクを助けてるから変数として、その事故に入ってしまったんだ…と顔をしかめる死神。
ああ…と納得した様子のトッケビを『彼氏がトッケビの「その他抜け落ちた者」のお蔭で死ぬはずの運命たちが全て生きたんだ!大変な死神をさらに夜勤させて!』と憎々しげに睨みつける死神。
『鶏を食べるか?夜食に。』
『お前ホントに無に戻る事を考えてみないか?』そう言われて何とも言えない表情で黙り込んでしまうトッケビ。
『冗談を言ったのに、そんな真剣になられたら、私はどうすれば?』
『無に戻るという事が…一体何なのか…と。埃や風や雨になって散るのか?世界のどこかに…?』と暗い表情のトッケビ。
どうせ「その他抜け落ちた者」は剣を掴む事すら出来ないのだから悩んでも仕方ない…と死神。
『ウンタクが剣を掴んだんだ。剣を動かしもした。それで私が…あの子を殺すところだった。凄く痛くて。初めて感じる苦痛だった。』
『今からでも真実を話さなければいけないのではないか?剣を抜けばどうなるのか。』
『いや。可能ならもっと隠そうとかと。80年くらいもっと…。』と言うトッケビを、腕を組んでジト〜っと見つめる死神。
何だ?と言うトッケビに『19歳の少女とMaximum(最大限)まで暮らすつもりか…?』と死神。
『そうしたいが…そうできるか?だめか?』と真剣な表情のトッケビを見て、死神も真顔になります。
試験を終えたウンタクをトッケビが迎えに来ています。

運転席のトッケビを覗き込んで満面の笑みを浮かべるウンタク。
車に乗り込み『私を迎えに来て下さったの?』と嬉しそうなウンタク。
理由をつけて素直にそうだとは言わないトッケビ。
リュックを後部座席に置こうとして大量の靴下を見つけるウンタク。
『これ全部、何ですか?なぜ靴下⁇』
『今日、私が守った誰かの20歳、30歳。』
不思議そうな顔をするウンタクに微笑むトッケビ。

『あ~。私の20歳、30歳を守るのに今日から靴下を売ろうと?私が「何故、遊んでるの?」と言ったから?』
その言葉に珍しく声を出して笑うトッケビ。
『一緒に(靴下を)売るか?』
『いいですよ!それで…私もう面接が全部終わって時間が出来たから、おじさんの事を気に掛けますね。』
『どんな気を使うんだ?』
ウンタクの気遣いとは…

何と、筋トレ
そこにやって来たトッケビ。
不思議そうにウンタクを覗き込んで『お前、何をしてるんだ!?』と尋ねます。

トッケビを見上げて『腕力を付けてるんです。今度は絶対に一回で痛くないように抜きます。この前わかったんです。腕力が重要だと…。』と自分の腕を叩くウンタク。
『ボチボチやれ…』とガッカリした様子で見当外れのウンタクの肩をポンポンと叩くトッケビ。
その時、二人の頭上を舞う蝶を見つけるトッケビ。

ちょっと話す事があるから…とウンタクに席を外すように言います。
誰もいないのにそんな事を言うトッケビを不思議に思いながらも出て行くウンタク。
ウンタクが行ってしまうと『こっちに来い。ちょっと降りて来いって!私がこれだけ罰を受けたんだから十分だろう?ちょっとでも賞を受けさせるのがそんなに嫌ですか?未来をわざと見せたのでしょう?私が何も出来ないように。だからと言って私がそんな選択をするとでも!?しないぞ!死んでもしない!お!?降りて来いって!顔を見て話そうってば!このお方は!怖がるとでも!?あ~本当に、このお方は!』と言いながら、飛び回る蝶の後をついて回るトッケビ。

そんなトッケビを見て『まだ悪いのかな?』と言いつつ筋トレを続けるウンタク。
しつこく筋トレをしているウンタクに気付いて近付いて来るトッケビ。

『見てませんよ!本当に。』と焦るウンタク。
『本当に気に入らない。お前を好きな私が。こんなに愚かなはずないのに。』と疲れたように言うトッケビ。
『今…何て仰ったんですか?私に…。』と驚いてトッケビを見つめるウンタク。
『聞こえなかったのでなく?』
『全部聞こえたんですけど?』
『それなら良かった。』と言って去って行くトッケビ。
(顔を洗ったのかな?)タオルで顔を拭きながら鏡の前に立つウンタク。
『いや…だから、さっきおじさんが私に告白…あのお方は!ホントに!』と怒ったように言っていたけれど…

嬉しくて仕方ないウンタクでした
店で一人、お酒を飲むソニ。

『48…49…』と、また店の前を通り過ぎて行く人を数えています。
そして…50人目は死神。

驚くソニに窓の外からスマホを見せる死神。
ハッとして椅子から立ち上がり、慌てて店の奥に置いていた自分のスマホを取りに行くソニ。
車に乗り込み『私を迎えに来て下さったの?』と嬉しそうなウンタク。
理由をつけて素直にそうだとは言わないトッケビ。
リュックを後部座席に置こうとして大量の靴下を見つけるウンタク。
『これ全部、何ですか?なぜ靴下⁇』
『今日、私が守った誰かの20歳、30歳。』
不思議そうな顔をするウンタクに微笑むトッケビ。

『あ~。私の20歳、30歳を守るのに今日から靴下を売ろうと?私が「何故、遊んでるの?」と言ったから?』
その言葉に珍しく声を出して笑うトッケビ。
『一緒に(靴下を)売るか?』
『いいですよ!それで…私もう面接が全部終わって時間が出来たから、おじさんの事を気に掛けますね。』
『どんな気を使うんだ?』
ウンタクの気遣いとは…

何と、筋トレ

そこにやって来たトッケビ。
不思議そうにウンタクを覗き込んで『お前、何をしてるんだ!?』と尋ねます。

トッケビを見上げて『腕力を付けてるんです。今度は絶対に一回で痛くないように抜きます。この前わかったんです。腕力が重要だと…。』と自分の腕を叩くウンタク。
『ボチボチやれ…』とガッカリした様子で見当外れのウンタクの肩をポンポンと叩くトッケビ。
その時、二人の頭上を舞う蝶を見つけるトッケビ。

ちょっと話す事があるから…とウンタクに席を外すように言います。
誰もいないのにそんな事を言うトッケビを不思議に思いながらも出て行くウンタク。
ウンタクが行ってしまうと『こっちに来い。ちょっと降りて来いって!私がこれだけ罰を受けたんだから十分だろう?ちょっとでも賞を受けさせるのがそんなに嫌ですか?未来をわざと見せたのでしょう?私が何も出来ないように。だからと言って私がそんな選択をするとでも!?しないぞ!死んでもしない!お!?降りて来いって!顔を見て話そうってば!このお方は!怖がるとでも!?あ~本当に、このお方は!』と言いながら、飛び回る蝶の後をついて回るトッケビ。

そんなトッケビを見て『まだ悪いのかな?』と言いつつ筋トレを続けるウンタク。
しつこく筋トレをしているウンタクに気付いて近付いて来るトッケビ。

『見てませんよ!本当に。』と焦るウンタク。
『本当に気に入らない。お前を好きな私が。こんなに愚かなはずないのに。』と疲れたように言うトッケビ。
『今…何て仰ったんですか?私に…。』と驚いてトッケビを見つめるウンタク。
『聞こえなかったのでなく?』
『全部聞こえたんですけど?』
『それなら良かった。』と言って去って行くトッケビ。
(顔を洗ったのかな?)タオルで顔を拭きながら鏡の前に立つウンタク。
『いや…だから、さっきおじさんが私に告白…あのお方は!ホントに!』と怒ったように言っていたけれど…

嬉しくて仕方ないウンタクでした

店で一人、お酒を飲むソニ。

『48…49…』と、また店の前を通り過ぎて行く人を数えています。
そして…50人目は死神。

驚くソニに窓の外からスマホを見せる死神。
ハッとして椅子から立ち上がり、慌てて店の奥に置いていた自分のスマホを取りに行くソニ。
スマホの電源を入れると死神からの不在着信10件の表示が…。
全く電話をかけてこないから(スマホを)見ることもしなかった…と怒るソニ。
そんな彼女を見て死神の顔が緩みます

ソニと並んで街を歩く死神。

死神の方から先に電話をくれて嬉しいと言うソニ。
夜勤をしていて、以前ソニに宗教は?と質問されたことを思い出し、早くその返事(無宗教)をしなければと思った…と死神。
そんな事で留守電なのに10回も電話をかけていた死神の事を『かわいい!』と言うソニ。
『私が…可愛い…ですか!?』
『知らなかったの!?他の女は誰もそんなこと言わなかった?』
『ああ…。他の女…いなくて…』と死神が言い終わる前に『それが良いのよ!!それ!他の女がいないのが!準備しないで下さいよ!他の女。今がちょうど良いのよ!分かりましたか?』と慌てて言うソニを見て、嬉しそうにコクコクと頷く死神。
無邪気な死神に呆れつつ、正直に一つだけ答えて。私も話すから…と話し始めるソニ。

自分の本当の名前はキム・ソンだという事。
『知らなかったの!?他の女は誰もそんなこと言わなかった?』
『ああ…。他の女…いなくて…』と死神が言い終わる前に『それが良いのよ!!それ!他の女がいないのが!準備しないで下さいよ!他の女。今がちょうど良いのよ!分かりましたか?』と慌てて言うソニを見て、嬉しそうにコクコクと頷く死神。
無邪気な死神に呆れつつ、正直に一つだけ答えて。私も話すから…と話し始めるソニ。

自分の本当の名前はキム・ソンだという事。
それは両親が占い師にお金を払って付けてもらった名前で、その占い師が絶対にその名前でないといけないと言った事。
でも、ソニという名前が自分がキラキラと輝くようで好きだ…という事。
キム・ソンという名前は悲しくて何か事情があるようで嫌いだ…という事。
丁度その頃、お寺で筆で文字を書いているトッケビ。

その文字は『金 善(キム ソン)』。
でも、ソニという名前が自分がキラキラと輝くようで好きだ…という事。
キム・ソンという名前は悲しくて何か事情があるようで嫌いだ…という事。
丁度その頃、お寺で筆で文字を書いているトッケビ。

その文字は『金 善(キム ソン)』。
トッケビの妹の名前です。

『旦那様は毎年、今頃になると、そこで風燈を上げられるのだ…』と言う会長の言葉を思い出しながら、離れた所でトッケビを見守るドクファ。
真剣な顔で『キム・ウビンさん。本当の名前は何ですか?本当の名前でないことは全部わかってるんですよ。凄く変で似合ってなくても驚かないから、もう教えてくれてはダメですか?』と死神に尋ねるソニ。
返事に困ってしまう死神。
その時、トッケビは王の名前を書き始めます。
真剣なその瞳に映るのは…遠い昔、武臣だった時の自分と若い王の姿なのか…?
キム・シンに剣を与える王。


それは今もトッケビの胸に刺さっている剣です。
怒りに満ちた目でキム・シンを暫く見つめた後

『憤怒と憂慮を込めて剣を下す。出来うる限り遠くへ去り、出来うる限り…戻って来るな。』と言う王。

『陛下、どうしてそのようなお言葉を…陛下の高麗です。辺境を守れと命じられるなら守ります。敵を滅ぼせと命じられるなら滅ぼします。妹がここにいて、民がここにいるのに…』と言うキム・シンの言葉を遮り…
『王の憂いを、もうお前がするのだな。壮烈に死んだと便りをよこせば哀悼の便りを送るであろう。王命だ。』と冷たく言い放つ王。


その理不尽な王の言葉に拳を握り締めるキム・シン。
そんな事を思い出しながら書いているのか…

トッケビが『王 黎(ワン ヨ)』と最後の文字を書き始めたと同時に死神は胸に激しい痛みを感じます。

トッケビが筆を進める毎に、激しさを増す胸の痛みに苦しむ死神。
そのただ事ではない死神の様子に、驚き心配するソニ。
『手は冷たい!?ちょっと手を見せて!』と言って死神の手を取ろうとするソニからパッと手を隠す死神。
『申し訳ないけど、私の目を見て下さい。今日、私たちは会っていません。送ってあげられなくてすみません。向こうを向いて行って下さい。』と言って、苦しみながらソニの目を見つめる死神。


死神の言葉通りにクルッと後ろを向いて行ってしまうソニ。
胸の痛みに苦しみながら、ソニの後姿を見送る死神です。

誰もいないトッケビの部屋を覗いて『どこに行ったのよ?』と呟くウンタク。
会長はドクファに今後、旦那様にお仕えするのだからお前もこの日をよ~く憶えておくように…と話します。

会長に叔父さんの胸に剣が刺さっている事を知ってる?と尋ねるドクファ。
ドクファがその事を知っていることに驚きながら、旦那様の前で、その事には絶対に触れるな!と言う会長。
『どうしてですか?』と不思議そうなドクファ。
妹と王の名前を風燈に貼り付け、そっと手を離すトッケビ。



ゆらゆらと蝋燭の明かりを揺らしながら、ゆっくりゆっくりと真っ黒な夜空に吸い込まれて行く風燈。
小さくなって行くその明かりを見上げるトッケビの脳裏に浮かぶのは、王への恨みなのか…妹への思いなのか…。
『その剣は旦那様にとって、賞であり罰だ。旦那様の存在理由であり消滅の糸口だ。』

そう言った会長の言葉を思い出しながら…夜空を見上げるトッケビを見つめるドクファ。
(トッケビを探しているのかな?)いつもの本屋さんの前を通りかかるウンタク。

私の生であり、私の死であるお前を…私が、好きだ。
そのために秘密を抱き…天に許しを請うてみる。
一日でも長く…そんなふうに100年だけもっと長く。
そんな事を思いながら…


本屋さんの中から通り過ぎるウンタクを見つめるトッケビ。
トッケビがウンタクの所に行こうとした瞬間

本棚がトッケビを取り囲むように迫ってきて、その行く手を遮ります。
そして…トッケビの四方を取り囲んだ本棚の一方が、ゆっくりと持ち上がって行きます。


そこから現れたのは真っ赤な服の三神ハルメ。
コツコツとハイヒールの音を響かせながら、トッケビに近づくハルメ。

『私を知っているでしょう?話しがちょっとあるんだけど…。時間、大丈夫よね?』
『用件だけ話して下さい。私が今、神という神と関わりたくないので。』
トッケビの机の上に置かれた王妃の絵を見つめる死神。

『何が間違っていたのか?おそらく、あなたから始まったようなのだが…。』と呟きます。
玄関の前に座って、トッケビを待つウンタク。

『どこに行ったのよ!一体。こんなふうに…来る時は来ると言わなくても、行ってしまう時は行くと言って欲しいのに…。』と溜息をつきます。
以前、トッケビが新婦が見つかったら遠くに行く準備をしないといけない…と言っていた事が引っかかるウンタク。

『トッケビさんの胸に剣があるでしょ?正しくは、剣を抜けばどうなるんですか?どこかへ行くと言うけれど…それはどこですか?』と死神に尋ねます。
黙ってウンタクを見つめる死神。
『早くその剣を抜きなさい。剣を抜いて無に戻りなさい。』
『突然に現れて、死ねと仰るとは…。理由くらいは仰って下さらないと…。』
『お前は十分に生きたじゃないか。だけど、あの子は違う。私はあの子を授けた時、本当に幸せだった。だから今、決断しなさい。』
フッと笑って『アイロニーだな。どんな決断を下さなければいけないのか分からない。私が最初にキム・シンとして生まれた時も、あなたが私を授けたはずなのに。私はあなたの子ではないのですか?』と言うトッケビ。
『だから言っているのだ。幸福である事を願った私の子供、キム・シンのために。お前が最も望む事になるのだから。あの子は生きる事を望んでいるじゃないか。お前が無に戻らなければ…ウンタクが死ぬ。』
そのハルメの言葉にトッケビの表情が固くなります。
死神から、剣を抜けばトッケビがどうなるのかを聞かされて…

『だから…死にたくて…私に新婦になって…その剣を抜けという事だったの?だから…私がその剣を抜けば、おじさんが死ぬって事ですか?だから…その剣を抜けば、おじさんがいなくなるって事ですか?この世界から完全に?』と、我慢できずに涙を流すウンタク。
『あの子はお前の剣を抜く運命を持って生まれた。いや、お前がそういうふうに生まれるようにした。』

『道具としての役割を果たせなければ存在価値が消える。存在の理由が消えるから…そのために剣を抜かなければ、あの子の前に何度も死が訪れる。既に何回かそういう事があったでしょう?』と、ハルメに言われて今までウンタクが何回も危険な目に遭った事を思い出すトッケビ。
『そうだ、それらの事故。これからもっと起きるだろう。今までの事故よりもっと頻繁に、もっと強く。お前でさえ、一度殺すところだったじゃないか。お前の手で直接!』
胸に刺さった剣を抜こうとしたウンタクを突き飛ばした事を思い出すトッケビ。

そんなふうに100年生きたある日…
天気が丁度良いある日…
初恋だった…
告白できるように、天に許しを請うてみる…

三神ハルメの厳しい言葉に呆然と立ちすくむトッケビです。
何とか収まりました!良かった~
900年という長い時間を過ごして、やっと出会えた初恋の人ウンタク。
ただ、彼女と平凡で幸せな日々を送りたいだけなのに…。
剣を抜けば自分が消えて、抜かなければウンタクが死んでしまう。
本当にアイロニーです
毎回、とっても素晴らしい景色や印象的なシーンが出てくるこのドラマ。
8話の私のお気に入りは…雪景色の中、トッケビが風燈を真っ黒な空に上げるシーンです。
空気の冷たさと共に、トッケビの亡き人たちへの想いまでもが伝わってくるような…美しいシーンでした。
この辺りからドクファの怪しげな表情や行動が目立つようになってきましたね
ブロ友さんから聞いたのですが、この怪しいドクファを『毒ファ』と言うらしいです
毎回、とっても長くなってしまいますが…
最後まで読んで頂いて有難うございました
画像お借りしました。

『旦那様は毎年、今頃になると、そこで風燈を上げられるのだ…』と言う会長の言葉を思い出しながら、離れた所でトッケビを見守るドクファ。
真剣な顔で『キム・ウビンさん。本当の名前は何ですか?本当の名前でないことは全部わかってるんですよ。凄く変で似合ってなくても驚かないから、もう教えてくれてはダメですか?』と死神に尋ねるソニ。
返事に困ってしまう死神。
その時、トッケビは王の名前を書き始めます。
真剣なその瞳に映るのは…遠い昔、武臣だった時の自分と若い王の姿なのか…?
キム・シンに剣を与える王。


それは今もトッケビの胸に刺さっている剣です。
怒りに満ちた目でキム・シンを暫く見つめた後

『憤怒と憂慮を込めて剣を下す。出来うる限り遠くへ去り、出来うる限り…戻って来るな。』と言う王。

『陛下、どうしてそのようなお言葉を…陛下の高麗です。辺境を守れと命じられるなら守ります。敵を滅ぼせと命じられるなら滅ぼします。妹がここにいて、民がここにいるのに…』と言うキム・シンの言葉を遮り…
『王の憂いを、もうお前がするのだな。壮烈に死んだと便りをよこせば哀悼の便りを送るであろう。王命だ。』と冷たく言い放つ王。


その理不尽な王の言葉に拳を握り締めるキム・シン。
そんな事を思い出しながら書いているのか…

トッケビが『王 黎(ワン ヨ)』と最後の文字を書き始めたと同時に死神は胸に激しい痛みを感じます。

トッケビが筆を進める毎に、激しさを増す胸の痛みに苦しむ死神。
そのただ事ではない死神の様子に、驚き心配するソニ。
『手は冷たい!?ちょっと手を見せて!』と言って死神の手を取ろうとするソニからパッと手を隠す死神。
『申し訳ないけど、私の目を見て下さい。今日、私たちは会っていません。送ってあげられなくてすみません。向こうを向いて行って下さい。』と言って、苦しみながらソニの目を見つめる死神。


死神の言葉通りにクルッと後ろを向いて行ってしまうソニ。
胸の痛みに苦しみながら、ソニの後姿を見送る死神です。

誰もいないトッケビの部屋を覗いて『どこに行ったのよ?』と呟くウンタク。
会長はドクファに今後、旦那様にお仕えするのだからお前もこの日をよ~く憶えておくように…と話します。

会長に叔父さんの胸に剣が刺さっている事を知ってる?と尋ねるドクファ。
ドクファがその事を知っていることに驚きながら、旦那様の前で、その事には絶対に触れるな!と言う会長。
『どうしてですか?』と不思議そうなドクファ。
妹と王の名前を風燈に貼り付け、そっと手を離すトッケビ。



ゆらゆらと蝋燭の明かりを揺らしながら、ゆっくりゆっくりと真っ黒な夜空に吸い込まれて行く風燈。
小さくなって行くその明かりを見上げるトッケビの脳裏に浮かぶのは、王への恨みなのか…妹への思いなのか…。
『その剣は旦那様にとって、賞であり罰だ。旦那様の存在理由であり消滅の糸口だ。』

そう言った会長の言葉を思い出しながら…夜空を見上げるトッケビを見つめるドクファ。
(トッケビを探しているのかな?)いつもの本屋さんの前を通りかかるウンタク。

私の生であり、私の死であるお前を…私が、好きだ。
そのために秘密を抱き…天に許しを請うてみる。
一日でも長く…そんなふうに100年だけもっと長く。
そんな事を思いながら…


本屋さんの中から通り過ぎるウンタクを見つめるトッケビ。
トッケビがウンタクの所に行こうとした瞬間

本棚がトッケビを取り囲むように迫ってきて、その行く手を遮ります。
そして…トッケビの四方を取り囲んだ本棚の一方が、ゆっくりと持ち上がって行きます。


そこから現れたのは真っ赤な服の三神ハルメ。
コツコツとハイヒールの音を響かせながら、トッケビに近づくハルメ。

『私を知っているでしょう?話しがちょっとあるんだけど…。時間、大丈夫よね?』
『用件だけ話して下さい。私が今、神という神と関わりたくないので。』
トッケビの机の上に置かれた王妃の絵を見つめる死神。

『何が間違っていたのか?おそらく、あなたから始まったようなのだが…。』と呟きます。
玄関の前に座って、トッケビを待つウンタク。

『どこに行ったのよ!一体。こんなふうに…来る時は来ると言わなくても、行ってしまう時は行くと言って欲しいのに…。』と溜息をつきます。
以前、トッケビが新婦が見つかったら遠くに行く準備をしないといけない…と言っていた事が引っかかるウンタク。

『トッケビさんの胸に剣があるでしょ?正しくは、剣を抜けばどうなるんですか?どこかへ行くと言うけれど…それはどこですか?』と死神に尋ねます。
黙ってウンタクを見つめる死神。
『早くその剣を抜きなさい。剣を抜いて無に戻りなさい。』
『突然に現れて、死ねと仰るとは…。理由くらいは仰って下さらないと…。』
『お前は十分に生きたじゃないか。だけど、あの子は違う。私はあの子を授けた時、本当に幸せだった。だから今、決断しなさい。』
フッと笑って『アイロニーだな。どんな決断を下さなければいけないのか分からない。私が最初にキム・シンとして生まれた時も、あなたが私を授けたはずなのに。私はあなたの子ではないのですか?』と言うトッケビ。
『だから言っているのだ。幸福である事を願った私の子供、キム・シンのために。お前が最も望む事になるのだから。あの子は生きる事を望んでいるじゃないか。お前が無に戻らなければ…ウンタクが死ぬ。』
そのハルメの言葉にトッケビの表情が固くなります。
死神から、剣を抜けばトッケビがどうなるのかを聞かされて…

『だから…死にたくて…私に新婦になって…その剣を抜けという事だったの?だから…私がその剣を抜けば、おじさんが死ぬって事ですか?だから…その剣を抜けば、おじさんがいなくなるって事ですか?この世界から完全に?』と、我慢できずに涙を流すウンタク。
『あの子はお前の剣を抜く運命を持って生まれた。いや、お前がそういうふうに生まれるようにした。』

『道具としての役割を果たせなければ存在価値が消える。存在の理由が消えるから…そのために剣を抜かなければ、あの子の前に何度も死が訪れる。既に何回かそういう事があったでしょう?』と、ハルメに言われて今までウンタクが何回も危険な目に遭った事を思い出すトッケビ。
『そうだ、それらの事故。これからもっと起きるだろう。今までの事故よりもっと頻繁に、もっと強く。お前でさえ、一度殺すところだったじゃないか。お前の手で直接!』
胸に刺さった剣を抜こうとしたウンタクを突き飛ばした事を思い出すトッケビ。

そんなふうに100年生きたある日…
天気が丁度良いある日…
初恋だった…
告白できるように、天に許しを請うてみる…

三神ハルメの厳しい言葉に呆然と立ちすくむトッケビです。
何とか収まりました!良かった~

900年という長い時間を過ごして、やっと出会えた初恋の人ウンタク。
ただ、彼女と平凡で幸せな日々を送りたいだけなのに…。
剣を抜けば自分が消えて、抜かなければウンタクが死んでしまう。
本当にアイロニーです

毎回、とっても素晴らしい景色や印象的なシーンが出てくるこのドラマ。
8話の私のお気に入りは…雪景色の中、トッケビが風燈を真っ黒な空に上げるシーンです。
空気の冷たさと共に、トッケビの亡き人たちへの想いまでもが伝わってくるような…美しいシーンでした。
この辺りからドクファの怪しげな表情や行動が目立つようになってきましたね

ブロ友さんから聞いたのですが、この怪しいドクファを『毒ファ』と言うらしいです

毎回、とっても長くなってしまいますが…


画像お借りしました。