去る3月29日(日)に

予定しておりました

今年の「人形供養祭」ですが、

すでにご案内済みの通り、

開催を断念・中止いたしました。

もちろん、新型コロナウイルス

感染防止のためですが、

苦渋の決断でした。

 

毎年、何の疑問も持たず

行うことができていたコトが、

今年はできなかった・・・。

私の心の底にも、

得体の知れないわだかまりのような

ものが沸き起こってきています。

 

 

折しも、

境内には桜の花が満開ですが、

今年は心なしか寂しげ

にも見えます。

誰のせいでもなく、

目に見えないウイルスによって、

誰も望まぬ不幸な結果と

なってしまいました。

誠に残念です。

 

今回の人形供養祭を

中止する決断をした際に、

仏教のある言葉が

頭に浮かびました。

 

『諸行無常』

 

すべての事象は移り変わる、

という意味です。

あらゆる事柄は絶えず

変化し続けるもので、

永遠不変なモノは無い

という、仏教の教えです。

 

毎日あるいは毎年、

同じことが繰り返し

できる訳ではないのです。

人形供養祭についても、

毎年必ずできるものと

安易に思い込んで(甘えて?)

いたのかも知れません。

今年、

開催できなかったことにより、

改めて開催できることの

有り難さを再認識した次第です。

 

今回、中止せざるを得ない

事態になったことで、

自分自身で「諸行無常」について

考えることができました。

今後は初心にかえって、

より真摯に取り組んで

いきたいと思います。

 

1日も早く、

新型コロナウイルスが

収束することを祈っています。

 

 

もう一つ、

仏教が教える(ブッダが唱えた)

言葉が思い浮かびました。

 

『忍辱(にんにく)』

 

忍辱とは忍耐のこと。

もっと分かりやすく言うと、

我慢することです。

人生は、山あり谷ありです。

しかし、谷が必ずしも

不幸ではないのです。

その時の心の有り様(ありよう)

によって、

幸せにも不幸にもなり得るのです。

谷の時に、忍耐する(我慢する)

ことによって、

やがては山になるのです。

今まさに満開の美しい桜も、

冬の厳しい寒さを絶えて

蕾を膨らませ、

開花に至ったのです。

 

 

また、災難、困難、苦難に対しても、

怒りを感じたり悲観しすぎたり

しないで、それに耐える、

さらには感謝することが大事です。

それこそ、

無難に時をやり過ごすのではなく、

仏教の言葉で「有り難し!」

と言える人生を

送ることが幸せなのです。

 

今は、とても不安な状態ですが、

決して悲観せず、

現状を認めた上で

前向きな心で

過ごしていきましょう!

 

 

2020年4月4日(土)現在