谷内田「それが途中で『忘れ物したから一回家に帰る』って。
それにしても遅い、連絡もつかない。一体何を忘れたのやら」
千賀「もうすぐ点呼なのにね。
その時までいなかったら先生が大騒ぎしそう」
栗栖「バックレて帰ったんじゃないの」
田部「そうなのかなあ? レベンカって明るいから
文化祭嫌いなタイプじゃないと思ってたんだけどなあ。
しかも今日はクラス当番じゃなくて自由に回る日だし、
面倒臭い片付けだって今日じゃないし」
謎は深まるばかり…

神戸「ただいまー」
田部「よ、良かった!
やっぱり本当に忘れ物探しが長引いただけだったのね!」
神戸「そうそう。ごめんね心配かけて」
藤ヶ谷「…あ、あれ?
神戸さんの鞄、朝と比べて随分、膨れ上がってない?」
谷内田「言われてみれば本当だ!
ちょっとレベンカ、一体どんな忘れ物したのよ。
見せてみなさい」
神戸「や、やめて~」
神戸さんは抵抗したが、
谷内田さんと田部さんに両側から抑えつけられてしまった。

田部「なーんだ、着替えか。
でもなんで秋口に着替えなんか…しかもサングラス?」
宮田「お、おい、これ…
さっきの謎の富豪のお客様の服だよ…」
えっ! ということは…

神戸「あれー? バレちゃったー?
そうよ、さっきのトシヤに6万円貢いだお客様は、
ワ・タ・シ」
宮田「そ、そうだよね…
いくら俺のことが好みだったとしても、
初対面でまともに会話もしないうちから大金貢ぐ人なんて、
いるわけないよね…」
藤ヶ谷「じゃあ、忘れ物ってのは、
予想以上に宮田の売り上げが伸びてなかったんで、
貯金でもおろしてきてたのか…なんか、夢が壊れたなあ」
神戸「ゆ、夢が壊れただなんて、ひどい!
ト、トシヤはどう? これで少しはワタシのこと…」