遊郭で生まれて。

私の仕事先の茶店にはいろんな方がきます

常連さんも増えてきて、特に一人で来られる方が多く、年齢も60代以上の独身の方や、夫婦間の会話もなくなり、誰かと話をしたい、聞いてほしい、そんな方がほとんどです。

みなさん色んな過去があり、人生十色だなぁと思わされます

あまり立ち入った事は聞かないのですが、親しくなると自分の生きていた半生をポツリポツリ話してくれます。

平野レミと水森亜土をかけて2で割ったような強烈なキャラクターの方がいるのですが、お年は70代前半で小柄ながら、とにかく明るく、歩くのが大好きで日本のハイキングコースや山歩きを人生の生きがいとしていて、また富士山にも行くのよーとおっしゃってました

でもいつも、家族の話が一切でないので、独身なのか、離婚したのかなとは推測していたのですが、少し前こられた時に

「私、京都の遊郭で生まれたん。でも、それが嫌で嫌で飛び出したんよ。それからずっと和歌山で住んでるから、もうここが自分の死に場所やとおもてるん」

といつものスーパーハイテンションでお話ししてくれました。男性と付き合ったこともなく、生まれ育った環境もあったのかとも思いましたが、遊郭は江戸時代の話かと思っていたので衝撃的でした。

そして昨日、たまたま母親の検診で病院について行ったら、そのお客さんが待合室で座ってるのを発見（やはり田舎）

病気の事を話すのも面倒なので、気づかれないように帰ろうと母親と話していたら、

「あれっ‼️どうしたん⁉️」

と見つかりました

すかさずこちらから、

「どうされたんですか❓」

と聞くと、

「事故してねー。人身事故じゃなかったんやけど、警察が病院で脳の検査をしてきて、その診断書を提出してほしいって言われてな。検査してみたら、脳の周りがカスカスになってたん」

とおっしゃっていて、即座に認知症かな？と思ったり、人身事故じゃないのに警察が来るだろうか👮、などと思いましたが、ただただ頷くばかりでした

日々、人は年をとり、今日よりも明日は少しずつ少しずつ出来なくなる事が増えていくものです。

世間では高齢者ドライバーの事故も増えているので、免許を取り上げられる可能性もあるのかとも思いましたが、趣味が少しずつ減らされていくのは他人事ながら悲しくなりました 笑顔の回数まで減らないように願うばかりです