もしこれが大阪なら、即、本人に告知しただろうが、東北は告知を家族にまかせる地域性があるらしい。チューブに繋がれた主人にはとても言えなかった。


私の家系は長生きで、癌が1人もいない。

それが、いきなりの主人の余命宣告に脳がブラックアウトした。

もともとパニック障害のある私は、安定剤を常時服薬していたので夜は眠れたが、人生が大きく変わり始めた。

泣くと、翌日目が腫れるのが嫌だったが、泣き過ぎると腫れなくなることを知った。言葉にならないことが、泣くことでスッとした。涙が安定剤だった。