日本の大学のグローバル化への改革① | 大学受験 英語勉強法 〜灘高&京大卒 塾講師からの指南〜

大学受験 英語勉強法 〜灘高&京大卒 塾講師からの指南〜

中学受験に失敗…その後懸命に努力し高校受験で灘高に合格! 一時燃え尽き症候群で苦しむも再起し京大合格! 今ではその経験を活かし、塾・予備校講師として主に高校生・浪人生に英語を教える日々。そんな講師が具体的な大学受験の英語勉強法を提示する。

僕自身教育業界にいて、この話題には考えさせられるものがあります。淡々と述べていこうと思います。



●大学の秋入学
教育の業界にいる人だけでなく、いろんな人が一瞬は注目したであろう話に『大学の秋入学』という話題があります。


現状では3月に高校を卒業、その後4月から大学が始まるという形となっていますが、それを変更し、9月から大学が始まるという形になるということを「秋入学」といっています。


これ自体は世界標準の視点で語られていることなので、いたって普通の話なのですが、日本では「4月入学」という形でやってきたために悩ましい状況を生むかもしれないということです。



●日本の大学のレベルはいかに
大学の世界ランキングは複数の箇所が発表しており、それぞれがそれぞれの指標を持ちランキングを付けています。よく日本の大学で言われるのは、「欧米の大学が有利になっている」ということですが、これはひとまずおいておいても危機意識を持って考えていく必要がありそうです。


2012年の『世界大学学術ランキング』の発表によると、総合1位は10年連続でハーバード大学、2位がスタンフォード大学、3位がマサチューセッツ工科大学、通称MITとなっています。僕個人の話ですが、友達の1人がMITを卒業しアメリカで働いているので、何ともスゴイな…と改めて実感しました。


さて、ここで日本最高峰の大学である東京大学、我が母校京都大学が何位にいるかというとそれぞれ、20位、26位となっています(前年からはそれぞれ1つずつ順位を上げています)。


さて、これを見てどう思うでしょうか? 僕の意見は「低すぎる」という印象です。これは別に過小評価されているという意味ではなく、純粋にレベルが低いという意味での「低すぎる」です。


現在日本は世界第3位の経済大国です。それほど発達しているであろう国の最高峰の大学が、アメリカのトップ13校+イギリスのケンブリッジ大学・オックスフォード大学からしてもさらに5個も離されています。


しかし、評価はこれだけではありません。他の指標もあるわけですから、他の指標で見た世界ランキングを考察してみましょう。それは『タイムズ ハイヤー エデュケーション』というものです。この評価体系は「教育」「研究」「国際性」「産業収入」「論文の影響力」の計5つです。


さて、この世界ランキングで見た場合の東京大学は何位かというと…なんと30位です。これは7年ほど前であれば12位だったにも関わらず、落ちてきてしまっているのです。


確かに、「教育」と「研究」に関しては高く評価されているのですが、やはり問題は「国際性」です。どうしても留学生比率が低かったり、外国人教員率が低いことにより、「国際性」の評価が信じがたいほど低いのです(具体的には100ポイント性で23ポイント。以下に示す香港大学が83.7ポイント、シンガポール大学が93ポイントから見ても驚くほど低いのです)。


しかし、このような状況でも、東京大学はアジアの中ではトップです。では、「トップだから本当にいいのか?」ということが問題になってきます。というのも、このランキングの34位には香港大学が、40位にはシンガポール大学がつけており、このままいけば残念ながらアジアトップの地位を失うことも十分に考えられるのです。


このような非常に悩ましき状況ゆえ、これを打開するために、今回東京大学が1つの策として『秋入学』を挙げてきたのだと思います。しかし、これだけではもちろん不十分なので東京大学も京都大学もさらなる策を講じようとしているようです。


またこれは次回。