ハンニバル・レクチャー博士 | 今酔の肴

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漁師町というのは独特の空気感がある。


「ちょっと聞きたいんだけど臭いを防げるマスクってあるのかね?」
電車内で一人一人に聞きまくっているお爺さんが迫ってくる。

「わからないです」
「知らない」
「無いよ」

三人の善良な市民が犠牲になりました。

「草を刈る時によ、匂いがよ」
めげないお爺さん

薬局で聞けよ・・・
迫りくる恐怖、これが漁師町か(関係ない)

漁師町に向かう電車なのに何故か山登りな格好のご老人達は車両を変えています。

僕はというとイヤホンを耳に挿し鉄壁の防御
気になった事は調べる体質なので【匂い防ぐマスク】でGoogle検索 
これで目も合わせない作戦


数秒でしょうか、数分でしょうか、わかりません。僕は気づきました。殺人鬼を紹介するポッドキャストが電車内で鳴っていたのです。

イヤホンは耳には刺さっていたのですが、イヤホンジャックは刺さっていなかったのです。
お爺さんに向けられていたのと同じ種類の目線を感じました。

音漏れ、殺人鬼、下ネタ
完全に詰んでいます。


「ちょっと聞きたいんだけど他人の目線を防げるマスクってあるのかね?」
あのお爺さんが未来の自分のような気がして少しだけ怖くなりました。