【俺のモテキ】後編 | 今酔の肴

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※後編になります


「わっ!!!」
わっ!?じゃねーよ。

なんかさっきからあの女、俺の周りウロチョロしてるな…
邪魔…じゃないな…
よく見ると、ちっちゃくてカワイイじゃねーか
顔も少しタイプだし
性格は顔に表れるって俺の持論もあるし、実はいい娘なんじゃね?
スキンシップっていいなぁ

さっき迄の俺死ね

また来た
ってか、後ろからそっと話しかけてくるんですね
耳元で話すのは、大音量のクラブの特権
近い、近い近い、近い近い近い、近い近い近い近い
一旦落ち着かせてくれ、心臓に悪い
だから近い、心臓の鼓動聞こえちゃうから…

ん?なに?生ゴミの話?うんそーだよね、虫でるよねぇ
ゴキブリ?そんなの俺が退治してあげるよぉ
おいおい、手を引っ張るなよぉ
俺より小さい胸を腕に押し当てるなよぉ


押し当てるな!?
確かにこれは俺より、しかし大変柔らかい胸…
胸か…
ん!?
これはどういう事だ???


↓ここから
「なんだなんだなんだなんだなんだなんだ
飲むとエロくなりすぐヤリたくなる女か?
たしかあの女、横浜の大学生、キャバ嬢
キャバ嬢…
俺からむしり盗る金など無いわ
お前はみんなにチヤホやされたいタイプだろ
俺には効かない
顔を近づけるな
俺は騙されない
俺は惚れない
ってか、
お前この前、相棒と接吻してただろうがあああ!!!」
↑ここまで一分。脳内フル稼働


硬直、硬直、硬、直、
落ち着いてるふり、落ち着いてるふり
何故に胸を押し当ててるの?

お前なんかに興味ないし…ってふり

胸のせいで会話が弾まない、会話を進めるのが無理
冷静になろう
煙草に火を付け続けて、話を繋ぐ
こういう時の煙草は便利、喋らずにいられる
そして煙草を吸い続けて気持ち悪くなるのだ

ドキドキドキドキドキドキドキドキ
あの…

「もういい、知らない!!!」

へ?知らないって何?
なに勝手に胸を押しあててんだよ
からかってたんじゃないのかよ


こうして彼女は俺の前から去っていった…
まるで何事も無かったように…
右腕に胸の感触だけを残して…


はぁ、またやっちまった…

昔からの卑屈精神
コンプレックスの塊
どうせみんな俺を嘲笑ってる
自分に自身が無い訳じゃない
けども笑い声が聞こえると、何故か自分を笑ってると思う

逃げたい、逃げたい、逃げたい、逃げたい
よし、家に帰って
もし彼女が彼女だったらって妄想でもする
自転車で来てよかった
夜明けまでなんて居られない


さようなら。


最後に見た彼女の姿は、相棒と濃厚な接吻をしていた姿だった…


もう切腹しよう
もう、さらっとメアド聞けるような人間にはなれない
女になんて騙されない
女なんて全てただの穴

「あのビッチめ…好きだあああああああ」
悔しさの反動が全てペダルを漕ぐ力に変わり
汗か涙かわからない何かが、額か瞼かわからない何処からか…

そんな時に流れてきたのがこの曲
それでは聴いて下さい
Fantastic Plastic MachineでBeautiful Days

http://www.youtube.com/watch?v=aKfXhp5LB8U

http://www.nicovideo.jp/watch/sm732159

ぜっ、全然ビューティフルなデイじゃねぇ!!!

あれから数年後の姿が、皆さんの知る俺の姿です。
少しは変わったのかな・・・


※ここまでお付き合いくださり有難う御座いました
この話は完全ノンフィクションです。
次回は、「ねぇ、今DJだれ?」から始まった女
になります(不定期連載冨樫)