私の大好きな映画。
おもひでぽろぽろ
基本的にジブリは大好き。
みんなそうなのかな?
27歳のごくごく普通のOL タエ子は、東京生まれの東京育ち。
幼い頃から田舎をもたないタエ子は、夏休みに田舎のおばあちゃん家に遊びにいく友人などをうらやましく思っていた。
最近になり、姉が結婚したことで、姉のダンナさんの実家に遊びに行かせてもらえるようになる。
そこで、農業を体験したり、田舎暮らしを満喫することで、更に田舎好きが加速していく。
映画では、兼ねてより、紅花摘みを体験したくて、義兄の実家である山形に10日間も有給休暇を取るところから始まる。
その旅の間中、小学校5年生の自分の思い出が、ずっとついてきてしまい、小学校5年生の自分と旅をすることとなってしまう。
私が初めてこの映画を観た時は、ちょうど小学校5年生。幼いタエ子ちゃんと同じ歳。
作品の意味や、伝えたいことはサッパリ分からなかった
小学校5年生のタエ子の状況が似ているような、似ていないような・・・・・
少し時代がずれていたせいか、よく分からない部分がたくさんあった。
だけど、田舎をもっていないタエ子ちゃんに、私は新鮮さを覚えていた
兵庫県在住の私は、ありがたいことに東京と、高知県に田舎があった。
休みは遠出するものだと確信していたから。
また、「ひょっこりひょうたん島」や、トシオが「田舎の音楽」と言って車内でかけた、ムジカーシュの音楽(トシオは百姓の音楽と言ってた)が、とても気に入って、何回も観ていた。
それから、私は中学生になり、中2で引越し。引っ越した先で辛い思いを経験。。。
周りの人に支えられたからこそ乗り越えられたものの、心が折れたか、もしくは、何も感じなくなったか。
いささか、私の心はそこで改造されてしまったのではないかと思うようなひどく心に傷を残した経験だった。
ある意味、めちゃめちゃタフにはなったかも・・・。
その時も、今住んでいる川西に毎日毎日帰りたいと願いながら・・・、現実から逃げたい逃げたいと思いながら観たこの映画。
初めて観た時とは違って見えた
山形に行ったタエ子さんの気持ちが少し分かった気がした。
そして、私はそれから更に何度か居住地を変え、出会いと別れをいっぱい経験した。
自分のせいで別れてしまった関係や、めんどくさくなってほってしまっていた関係、あんなに仲が良かったのに、たかが距離という物理的な理由だけで終わってしまった関係。
友情も、恋も、とにかくたくさんの出会いと別れを経験してきた。
その都度何かあると、ついつい借りてきて観てしまう。
そしてこのGW中にもう一度観てみた。
タエ子の27歳の現実は、とてもリアリティを追求していて、少し不気味に感じる程。
それに比べ、小学校5年生の思い出は、パステル調の淡い、ぼんやりした思い出。
だから妙に、現実の方が色濃く、少し暗く見える。
タエ子が覚えている思い出はいいものばかりではなく、むしろ自分のコンプレックスを形成しているもののように私には思えた。
クライマックスにタエ子は決断をする。
今までの流れに身を任せていた楽な状況から自分を変えるため、小学校5年生の自分とお別れをする。
小学校5年生のタエ子ちゃんはそれを促しはしたものの、最後は不安そうな、悲しそうな・・・ そんな顔で27歳のタエ子を見送る。
最後は観る人の感性に任せたエンディング。
彼女は結婚してハッピーエンドになったのか?
それとも不安どおり、田舎の暮らしの辛さを身に染みて感じ、後悔したのか?
とにかく、最後に小学校5年生のタエ子が見送る「27歳のタエ子」の決断は、不安でいっぱいであるということ風に私は感じた。
決断って、そういうものなのかな・・・
答えが決まった時にするのが決断かと思っていた。
これだ!!と、確信を持ってするものが決断かと思っていた。
だけど、本能や、勘や、あるいは、心の声に任せた見切り発車というものが決断であるともとれた。
次にコレを観るのはいつになるだろう・・・
どんな気持ちで観るのかな。
よこもこ