家族が亡くなると煩わしい手続きが多い。

 

九州医療センターへ。

彼女の処置費の清算にちゃり君に乗っていった。

整備してなかったのでギシギシ状態。

落ち着いたらメンテして元に戻そう。

 

病院の敷地内に入り

もう見慣れた建物が目に入った瞬間

いやな気分になった。

真夜中に彼女が救急車でここに運ばれて

そのあと私たちも追従した時の記憶がよみがえる。

 

支払いの手続きは待たされることなく簡単に終わった。

受付のおねえさんが最後にマニュアル的に

「おだいじに」との一言。

提出した書類を見ればわかるはずなのだが。。と一瞬思ったが、

ここで最後を迎えた彼女に対してではなく

私のために言ったのかもしれない。

 

帰りに買い出し。

カレイの切り身が安かったので買ってきた。

誰かさんにどうやって食べたいか尋ねる。

いつもは彼女に問いかける言葉。

「唐揚げがたべたか。」と、もう分り切った返事が返ってくる。

誰かさんはトンビのごとく揚げ物ばかり要求する。

だから今まで晩御飯のおかずリクエストを

かつてインシュリンを打っていた彼に対して

ほとんど尋ねた事はなかった。

 

彼女のところにご飯を置いて、

ろうそくをともして三人で晩御飯。

「こりゃ、うまか。特に皮のところが。」と誰かさん。

遺品整理しているとき以外はただただテレビをつけたまま

見もせずにボーと過ごしている誰かさんに

久々に喜びの時間を与えることができた。

でも揚げもんはほどほどにしとこう。

 

次の日彼女の生命保険金が下りたので、

葬儀屋へ葬儀代決済の連絡した。

保険金は葬儀代金支払ったら何も残らない額だ。

んなカネより彼女が生きてくれていたほうが

どれだけうれしかったことか。。

 

これから先の事務手続きはすべて

彼女の生の否定と死の容認の作業となる。

事務処理を進めてゆく過程で徐々に

現実を受け止めていく作業なのだ。

 

ゆっくり

あせらず

のんびりと

ひとつずつ

処理していこう。