今日の土曜保育では、自作のカード「まちでん!」を使ってこどもたちとの遊びが膨らみました✨

「まちでん!」のメインの遊び方は、地域の風景写真などを手掛かりにして連想される「伝説の生き物」を描くというもの。遊び手の想像を膨らませるために、3種類のカードを使います。

↑まずは、以前まち歩きで撮影した、地域の風景が写っている(良い感じで手ブレしているものもあります)「ここにいるよカード」。今のところは私が働いている地域の写真がメインですが、ゆくゆくはいろいろな地域でこどもたちとまち歩きをし、その写真もカード化したいなぁと思っています。

↑次に、「伝説の生き物」とゆかりのあるものが描かれている「しょうこカード」。持っているものなのか、落としていった/残していったものなのか、はたまた身体の一部なのかは、遊び手が自由に想像してオッケー。

↑そして、「伝説の生き物」のシルエットの一部が載っている「シルエットカード」。こちらも全身像なのか、一部なのか、どの部分なのか(例えば一番右のシルエットを耳と捉えるか、開いた口と捉えるか、ハサミと捉えるか、何かが割れてそこから伝説の生き物が出てきたと捉えるのかは自由)に「正解」はなく、遊び手の想像次第。

これら3種類のカードをそれぞれの種類ごとに裏向きにして混ぜ、ランダムに1枚ずつめくり、出てきた3枚のカードを使って、そこから連想した「伝説の生き物」を描いていきます。


○まずは普通に遊んでみることに…!
こどもたちが最初に引き当てたのは、こちらのカード群でした。赤い丸を見て「梅干し!」「わかった!日の丸弁当でしょう!」「日本の旗!」という呟きが生まれました。

こどもたちが描いた絵はこちら。
初めて遊んだということもあり、1年生の女の子は、まず写っているものをそのまま組み合わせたようでした。どことなく木のようにも見えるし、ピンク色の部分が足のようにも見えます✨

2年生の女の子は、何やら不思議なフォルムの「伝説の生き物」を表現。「そうか!『しょうこカード』は必ずしも具体的な物に見立てなくてはいけないわけではなく、『色』という手掛かりにもなるのか〜!」と、私自身が気付かされました💡

5年生の女の子は、こちらの可愛らしい木の「伝説の生き物」を表現✨昨年度コミュニティースペースにて一緒にローカルマガジンを作成した時にもイラスト描きで大活躍しており、その発想力・デザイン力にはいつも驚かされています☺️


その後、「3枚のカードから着想を得る」という枠をこどもたちが越えて、「いずれか1枚のカードから想像する」「何も見ずにオリジナルの『伝説の生き物』を表現する」という動きが展開しました✨
あくまで「まちでん!」は遊びの活性化因子。「こうしなければならない!」という絶対的なルールに従わせることが目的ではなく、こどもたちが生き生きのびのび楽しめることを目的に作ったものなので、この動きを私は歓迎しました😊


○「まちでん!」×「My図鑑」〜新たな遊びの〝動き〟が生まれる‼️
そして私からも新しい要素を提案💡先日発見して以来活用させていただいているアプリ「My図鑑」を「まちでん!」と組み合わせてみようと思ったため、「こんなのあるんだけど、みんなが描いた生き物を図鑑にしてみない?」と声掛けをしてみました。(https://kaihawk.jp/my_dictionary.html

こどもたちは興味を持ってくれたようで、その絵を描いた子と話し合いやり取りしながら「伝説の生き物」の名前と特徴を図鑑に記録していきました📝



↑このようにイラストと文章が合わさることで、こどもたちの表現がまた新たな様相を帯びて伝わってきます。「くらやみおばけ」「おばけもの」は、改めて自分の絵を眺めてみて「暗闇にいるから黒いんだ!」「歯の形に見える!」というように「連想して→表現して→見立てる」という動きがこの子たちの内面で起こったようにも思えます。

「かげのっぺ」を描いた3年生の女の子は、「かげ」+「のっぺらぼう」という発想法でネーミングをしていました✨その後も絶妙な名付け力を発揮し、「描いたんだけど、名前どうしよう…」という状況では、仲間たちから相談を受ける姿が見られました😊


○こどもたちが表現した「伝説の生き物」たちを一部紹介‼️
↑まずは、5年生の女の子がフォルムを描き、妹の2年生の女の子が色を塗った「しずく」「『最近老けたね』などと言われると、怒ってその人をやっつける」という設定が恐ろしく、面白い🤣笑
↑こちらは、「しずく」の妹の「ひるるん」
「しずく」の色を塗った2年生の女の子が、今度は自分で絵を描きました。「『しずく』の妹にする」というアイディアが事前にあり、そこから説明文を一緒に考えたのですが、だんだんと妹である自分自身と「ひるるん」とがオーバーラップ「しずくとは喧嘩が多くて、いつもあまり会わない」「お姉ちゃんにいつも負けて怒られる」「お母さんにも叱られることが多い」など、日頃蓄積されている?モヤモヤを窺い知ることができました💦それもあり、今日生まれた「伝説の生き物」図鑑の中ではダントツの文量‼️

「頭が悪い」という文言も入れようとしていましたが、「いやぁ、そんなことないよー!」と私が声掛けをしたこともあって、最終的には「好きな食べ物は焼肉とハンバーグ」という文章を載せるというアイディアを彼女自身が出し、平和な内容で締め括られています。
↑こちらの「かさわ」は、名付け名人である3年生の女の子の作品✨「かっぱ(河童)」「かさ(編み笠)」「かわ(川)」が掛かっています😊地域の川のイメージキャラクターにもなりそうなほど愛らしいデザインで、本人も納得がいき気に入ったのか、お迎えの時に嬉しそうな表情でお母さんに見せていました☺️

↑こちらは、5年生の女の子の作品。先にイラストと途中までの説明文ができており「名前はどうしよう…」と悩んでいたところ、近くで別の遊びをしつつ緩やかに「まちでん!」図鑑づくりにコミットしていた2年生の男の子が「おわりんご!」という謎の名言?迷言?を生み出し、そのまま「おわりんご」という言葉を説明文に入れることになりました🤣

別の2年生の子が「だったら、口癖は『りんご』にしない⁉️笑」と提案し、その勢いで名前も「りんごさん」に笑
みんなの合作で生まれた「りんごさん」はすっかりみんなの人気者?になり、その日の運営終了間際まで「おわりんご」が流行語?になりました😆


○まとめ
最終的に、こどもたちと一緒に生み出した「伝説の生き物」図鑑は32ページにもわたる大作となりました✨
この日の土曜保育は私1人で7人のこどもたちをみていたため、洗い物等で撮影ができなかったものも含めると50種類ほどの「伝説の生き物」をこどもたちは考え、表現したということになります。

この図鑑づくりは午前中に1時間半程度続いただけでなく、午後の時間も「また遊びたい!」という声を受けて展開していきました✨それだけ「未知のものを想像し表現する」ということをこどもたちも私も楽しんでいたのだろうと思います😊


「まちでん!」のベースとなる「風景・物・シルエットという異質なもの同士がランダムで組み合わさり、そこから新たなものが立ち現れてくる」というイメージは、まさに今日生まれたようなこどもたち(と)の遊びの様子から着想を得ています。1人ひとりの感性や想像性同士が混ざり合って生まれる〝動き〟。その〝動き〟は絶対的・普遍的・固定的なものでは決してなく、さらに新たな要素(今回は「My図鑑」)と混ざり合ってさらなる〝動き〟を生み出し続けていくという動的なものであるー


今はコロナ禍の影響でなかなか移動が難しいですが、落ち着いた頃には「まちでん!」的なワークを各地で行い、たくさんのこどもたちと全国版の「伝説の生き物」図鑑を作ってみたいなぁと改めて感じました😊