今日はこどもたちと公園へ。ポケモンが大好きな2年生のゴウくん(仮名)と、同じくポケモン大好きな私との間で遊びが展開しました✨


○ゼルネアスの角探し
遊びは、ゴウくんが私に「ねぇ、(鹿のような姿の伝説ポケモンである)ゼルネアスの角を探そうよ!」と声をかけたことからスタート。2人で公園を散策し、「角」に見立てた立派な木の枝を探しました。
立派な「角」を発見したゴウくん✨頭に付けてゼルネアスに成り切っています☺️一方の私は細い枝しか見つからず、「しょぼネアス」に変身しました笑


○偶然の発見から、「リージョンフォーム」のポケモン探しへ
しばらく2人で「角」探しをしていると、偶然私がキノコを見つけました。「ねぇ、キノコがあった!」とゴウくんを呼びます。
「おぉ!これは、キノコのポケモンだ!なんだっけ?あの、頭にモンスターボールが付いているようなやつ…」とゴウくん。「あ〜、あれだ!モロバレルでしょ」と私。「そう、それそれ!絶対毒がありそうだから、どくタイプだね‼️」とゴウくん。

ここで私は「リージョンフォーム」というポケモンの概念を遊びの中に入れてみようと閃きました。ポケモンは現在900匹近くおり、その中には「あるポケモンが、その土地の環境や文化に影響を受けて生態を変えた姿」という設定(一部例外あり)で、過去作に登場したポケモンと名前が同じながらもデザインやタイプ等が異なる「リージョンフォーム」という種が存在します。


https://wiki.xn--rckteqa2e.com/wiki/%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%83%B3%E3%83%95%E3%82%A9%E3%83%BC%E3%83%A0参照)

「リージョンフォーム」のポケモンは、例えば「ニャース アローラのすがた」「カモネギ ガラルのすがた」などのように原種名に地方名を付けて呼ぶのですが、これに準えて「きっとこれは、『モロバレル S市(学童保育がある市)のすがた』かも知れないねぇ‼️」とゴウくんに伝えると、彼は目を輝かせました✨こうして、公園内にいる「リージョンフォーム」のポケモン探しがスタートしました。ゴウくんが次々とポケモンを探し、私は「ポケモン図鑑(捕まえたポケモンを記録する機械)」役として、スマホで写真を撮影していきます。
「これは、ベトベトン(ヘドロ状のポケモン)のリージョンフォームだ‼️」とゴウくん。確かに、言われてみれば、木の皮の絶妙な歪み具合がヘドロにも見えてきます😳
「これは、ナゾノクサ(球根から草が生えたようなポケモン)‼️」
「それで、これはナッシー(椰子の木のようなポケモン)のリージョンフォームでしょ‼️」
「見て!遠くにスワンナ(白鳥のようなポケモン)がいるよ‼️」
「これは、ラビフット(ウサギのようなポケモン)のS市のすがただよ‼️」
サルノリ(サルのようなポケモン)のリージョンフォームも見つけた‼️」

ゴウくんの発見は止まりません✨豊かな見立ての力、本当に素敵だなぁと思いました☺️やがて、ゴウくんと私の遊びに興味を持ったこどもたちが集まり、みんなでポケモン探しをすることに。
ウソッキー(木に成りすましているいわタイプのポケモン)のS市の姿や…
ジグザグに折れ曲がった木の枝をお尻につけて「ピカチュウ S市のすがた」に変身する子も✨
公園の中にいるたくさんのポケモンたちをゲットすることができました😊


○「リージョンフォーム」という概念と見立て遊びとの親和性
今回の見立て遊びのキーとなったのが、ポケモンの世界に登場する「リージョンフォーム」という概念でした。リージョンフォームのポケモンは2016年に発売された「ポケットモンスター サン・ムーン」から登場したのですが、これにより同じ名前のポケモンでも地方によって姿形が異なる可能性がある=今後、さらに多様なフォルムが登場するかも知れないという期待感が拡がったように思います。

これまで、1人のプレイヤーとして「このポケモンが、この地方だとこういうデザインになるのか😳」などと新作が発表されるたびにわくわくしていた(と同時に、ポケモンというコンテンツを持続させるための工夫を感じた)リージョンフォーム。しかし、この概念を今回こどもたちの遊びに取り入れることで、特に見立て遊びとの親和性を感じました✨

例えば、リージョンフォームが出る前のポケモンの世界は、「ニャースは、頭に小判が付いていて、ベージュ色で、ノーマルタイプで…」という「唯一絶対のフォーム」が無意識のうちに想定されていたように思います。「唯一絶対のフォーム」が存在するということは、すなわちそれと合致しないデザインは「違う!こんなの○○(既存のポケモン)じゃない!」「下手くそ!」「ポケモン知らないの😒?」と切り捨てられてしまう宿命を背負っていることを暗黙のうちに意味します。

しかし、リージョンフォームという概念が登場したことで、こうした「唯一絶対のフォーム」という価値観が崩れていきました。その結果、既存のポケモンとの間に何らかの類似性を持ったものを「オリジナルのリージョンフォーム」であると想像・表現し、それが他者にも共感的に認められる可能性が拡がったように感じます。


今回ゴウくんをはじめとしたこどもたちがこれだけたくさんのポケモンを〝ゲット〟することができたのは、彼らが持っている見立てや成りきりの力に加えて、「唯一絶対のフォーム」から「リージョンフォーム」へ、すなわち「同じ」を求める価値観から「似てる」をきっかけとした多様な拡がりが保障された価値観へ…というポケモン世界の〝進化〟も影響していたのかも知れません。

「リージョンフォーム探し」ならどこの場でもできるため、またこどもたちといろいろな場所へポケモンを〝ゲット〟しに行きたいです☺️