昨年度、学童保育で1年間関わっていた男の子。
私は昨年度から今の職場に勤めているため、当初は「新参者」である私を試すかのように飛んでくる鋭い言葉をまともに受け、どう関係性を築いていったら良いのか悩む日々…。

けれど、学童保育のイベントで行った川遊びの際、こんがらがった釣り竿の糸を彼が見事に解いた姿を見て、思わず私が「すごい!天才じゃん!」と呟いたことを受け、少しずつ笑顔を見せてくれるようになりました。
高学年ゆえ照れ臭さから素直になれない時もあるけれど、「うるせぇ!」と言いながらもその奥にある彼の本心が見えた瞬間がとても嬉しかったなぁ!


彼は年度末で退所したため、日常的には会えなくなってしまいました。けれど昨日、久しぶりに、彼と彼のお母様にお会いすることができました。
いち早く私を見つけて駆け寄ってきてくれた彼。そしてお母様からとても嬉しいお話が…!

「○○(彼の名前)、何か自分の中で頑張ったことがあると、『ゆーだいなら〝天才〟って言ってくれるかなぁ〜』って言うんですよ!」

私にとっても印象的だった場面を今でもこの子が覚えていてくれ、心の中で大切にしてくれていることがわかり、本当に嬉しかったです。そして、そんな瞬間の大切さや彼の呟きをしっかり捉えてくださるお母様の温かな感性に救われ、こみ上げてくるものがありました。


こどもたちと関わる放課後の時間。それは楽しいことばかりとは限りません。悩みや苦しみ、苛立ちや傷つきを感じ、自分の至らなさに直面することも多い日々。それはまるで、こんがらがった釣り糸のよう。けれど、こうしてフッとこんがらがった糸が解け、新しいものが見えてくる〝出会いの瞬間〟もたくさんあり、そんな瞬間に支えられながら今日までこどもたちと関わることができています。

互いに糸を解き、互いに糸を紡ぎながら一緒に新たな織物をつくっていく…それがこどもと関わる大人の役割なのかも知れないなぁと、ふと思いました。