鉄道イベントで見ていること | 鉄道趣味歴40年のNIKOND300s愛用者ブログ

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趣味の鉄道撮影(撮り鉄等)活動など、日常思った事を不定期につらつら書いていきたいです。
また、以前開設していたホームページ(現在は閉鎖済)からの移植も掲載します。
尚諸事情で、執筆が現在遅れぎみです。ご迷惑をおかけします。

ご無沙汰しております。

 

今まで、こちらで鉄道イベントの事を書かせていただきましたが、見ていただいた方々には、撮り鉄だけじゃないと思われていると思います。

 

当然車両撮影もしていますが、1イベントで撮ってくる写真を見ると、実は6割近くが、部品や分解済み車輛、設備になります。

というわけで、東武プレミアムファンフェスタで、設備担当の方(電気)に1時間半も質問して教えていただきましたが、その展示を見ながらお話ししようと思います。

上の写真は、全て何かあると電車が止まり、運転再開まで時間がかかる設備です。
通称だと架線(がせん:電車線ともいう)の話です。
1枚目が架線と電車の集電装置(通称パンタグラフ:パンタと省略)が接触する箇所で、銅合金ですが摩耗するので、摩耗すると切れることになります。切れた場合、銅合金線を貼りなおした挙句に、作業中は架線停電させるので、当然時間がかかります。

 

2枚目は、架線の上に1本線が張っていて、架線を吊り下げている線を柱から支えています。電気が流れているので、そのままだと地絡と言い、電気が地面に流れてしまい、物を焼き切ることがある為、電気を流さないように、陶器製あるいはポリマー製の碍子というもので電気を流さないよう(絶縁)にしています。
たまに聞く地絡事故とは、この碍子が壊れたか、何らかの理由で碍子の表面を通電(絶縁破壊といいます)してしまい、電気が流れて、機器を焼損させることを言います。
特に信号危機が焼けやすいので、問題になっています。

 

3枚目は、架線を釣り下げる線の素材を展示していただいています。

 

この摩耗した架線は、イベントで、切断の上、文鎮として販売されることがあります。(12/3の鉄道古物販売会で実際に文鎮として出ていたため、買っています。)

 

質問した経緯は、一部の方が設備の紹介をされていますが、これだけだとわからない部分があり、専門職の方に公開できる範囲で伺ってきました。専門の肩曰くこういった鉄道イベントだと、設備は軽視される方が多いとのことですが、私がいろいろ伺っていた為か、感謝までいただきました。

 

他には、下の写真で左が空気ばね(車輪に車体の重さを伝える装置ですが、のりこごちが悪いので、車体を支えています。消耗品で、10年程度で交換しますが、鉄道車両の車検にあたる全検が8年周期の為、8年で交換されています。)です。
普段の利用では、見えない位置なので意識しませんよね。

 

右はモータの枠です。

今の電車は誘導電動機という交流モータを使用していますが、電気の流れを周波数と電圧で切り替えるため、電車の主回路(動かす仕組み:制御方式)がVVVFインバータ(可変電圧・可変周波数制御:電圧と周波数をインバータという半導体高速スイッチで切り替える)制御になっています。
 

 

こういった普段見れないけど、考えると重要な機器や部品が見れるのが、鉄道会社の鉄道工場公開の最大の魅力でしょう。

一般に鉄道工場というと、何しているかわからないという印象でしょうが、実際は鉄道車両の車検を実施しているところになります。

 

一部では電車の最終組み立てを行っています。

 

尚、鉄道趣味だと、もっぱら車両撮影が主体ですが、鉄道自体工学の塊です。電気も土木も気象も素材も関係します。

なので、車両だけに関心は持っていただきたくないなと思いました。