原題はTo Kill a Mockingbird
原作はピュリッツァー賞を受賞したハーパー・リーの小説です。
1962年に映画化されました。
日本では暮しの手帖社が版権を持っているらしく、今でも同社から発売されています。
私は子供のころに何回かに分けて暮しの手帖に連載されたものを読みました。
テレビでも何度も放映されています。
子供のころに読んだものや見たものを年を取って改めて読み直したりすると、また見方が違って驚くことがありますが、今回はまさにこれでした。久しぶりに映画を見て自然に涙が出ました。
今までTo Kill a Mockingbirdという意味が分かりませんでした。
ただ単にマネシツグミ(という鳥だそうです)を殺すために、と理解していたのですが、この言葉にはあとがあって、
マネシツグミは殺してはいけない、あれは美しい声でさえずるだけで悪いことは何もしないのだから、なのだそうです。
これは映画の最終盤に活きてきます。
そう、初めて映画に出演したロバート・デュヴァルが扮するブーのことです。
まるで化け物のように言われていたけど、本当はいつも陰から子供たちを見守っていたブー。
若いころから頭頂部は少し寂しかったのね。
以前テレビで見たヘルプという映画にも通じるところがあります。
グレゴリーペック扮する弁護士のアティカス・フィンチの家にも母親代わりのヘルプがいます。
そのキャルが本気で娘のスカウトを叱る場面が印象的でした。
「いいですか?!お客様が食事をどのように召し上がってもそれをあれこれいうことははしたないことですよ!」
映画は大人になったスカウトの回想という形で進められますが、スカウトを演じたメアリー・バダムは映画監督ジョン・バダムの実の妹だそうです。
色々小さな駒が少しずつかみ合って、最後に一つにまとまってこの子たちはきっと立派な大人に育つのだろうと想像させてくれます。
また本を読んでみようかな?
追記
音楽はエルマー・バーンスタインです。タイトルに流れる音楽がとても素敵です