ビートルズのドキュメンタリー映画です。
ビートルズがライブバンドとして活動して、全世界に旋風を巻き起こした4年ほどを中心に編集してあります。
ハンブルグ時代の貴重な動く映像や、リバプールの伝説のキャバーンのライブ映像(これは前に見たことあります)
他にも静止画像にも細かな加工をして、もちろん音も加工して聞きやすくしてあります。
だんだん注目されていく様子、追っかけの人数が増えていく様子、本人たちの証言も含めて懐かしい映像満載です。
若きジョージ・マーティンはもちろん、ブライアン・エプスタインの様子の良い男っぷり。デレク・テーラーやニール・アスピノールも出て来ます
動画静止画含めてよくこれだけ集めたもんだ!と感心してしまいます。
そのうえライブ映像です。聞きやすいように加工してありますが、あのワーワーギャーギャーの大歓声のなか、PAやモニターもない当時のコンサートで一切ブレのないきれいな演奏を聴くことができます、ハーモニーも完璧です。
やはり彼らは優れたミュージシャンだったんだと実感しました。
アメリカでスタジアムコンサートを開く際、まだ人種差別が公だった時代に、「そんなのありえない、認められない」と発言してエプスタインを困らせますが、結局以後スタジアムコンサートでの差別はなくなったそうです。そういう意味でも先駆者でした。
レイ・チャールスは同じことを発言して生まれ故郷を追放されました。
コンサートを終えて囚人護送車でスタジアムを出ていくときにジョージが「もうこんなこといやだ」と言ったことも少しだけわかるような気がします。
そして彼らはスタジオにこもって好きな音楽を作るだけになるのですが、その最後のほうでスタジオの屋上で、今でいえばゲリラライブを敢行します。それはLet it beという映画で詳しく収録されていますが、その一部がちょっとだけ入っています
そこにはビリー・プレストンの顔も少し見えてこれまた懐かしい。
そして一番最後にシェア・スタジアムでのコンサートの様子が4Kレストア、音はデジタルリマスターして上映されます。
かなりマイナーな曲なども演奏していてそれもちょっと驚きでした。
ビートルズの初めての映画が日本で上映された当時私は中学一年生、甲府に住んでいました。
ビートルズは不良の聞く音楽として小中学生が映画を見に行くことは禁止されていました。
私がビートルズの映画を見るのは埼玉に引っ越してきて高校生になってからです。
50年前の武道館コンサートの時は中学三年生。自分でチケットを買う才覚もなく、同級生が歯磨きを買って応募したらチケットが当たった、というのを聞いて私も歯磨きを買いましたが当たるはずもなく、涙を飲みました。
当時教育委員会から、ビートルズを見に行くために学校を早退したり欠席するのは禁止、と通達が出ていたのですが、その友人は堂々と担任に「お兄ちゃんと一緒に行くので早退させてください」と頼みました。先生は「こう正々堂々と言われたら許可しないわけにいかない」といって早退を認めてくれたのです。早退していく友人の背中を見ながら内心、羨ましくて羨ましくてたまりませんでした。その夜テレビでコンサートを見たのでした。
夫は当時高校一年生、どこでどうやって手に入れたのか、武道館に行けた幸運な一人でした。
しかしその時の感想を聞いてみると「何にも聞こえなかった」そうです。
そうだろうねえ。一体どうやってチケットを手に入れたのか聞いても「忘れた」というばかりで、その時に知り合っていれば!とつくづく思ったものでした。
一緒に行ったデジヲは「ブライアン・エプスタインが動いているのをはじめてみた」と言っておりました。
そして映画が終わって二人で同時に言ったのは「ヨーコが出てなくてよかった!」でした。
最後のクレジットに「ヨーコとオリビア(ジョージの未亡人)のサポートに感謝する」と出るだけでした。
あ~あ、久しぶりに面白かった!