突然ですが、14年前の写真です。
2008年夏、タングルウッド音楽祭の研修生ピアニストたちです。私は前列右端におります。
皆、Facebookを通じて現在も繋がっています。
頻繁に近況をアップデートする人もいれば、私みたいに時々覗く程度の人もいますが💦
さて、後列右端でピースしている、長身で髭の男性、イゴール。彼はウクライナ出身で、当時から現在もニューヨーク在住です。先月末からの情勢により、彼はどうしているかと気になっていました。
彼はフェイスブックを頻繁に更新していたタイプ。昨日の彼の近況では、
「ウクライナとの国境近く、ポーランドのプシェムィシルで国境での活動に従事しています。インスタントコーヒーで夜のシフトに備えるぞ。プーチン、覚悟しておけ。」
という英語のコメントが、セルフィーの写真とともにあがっていました。
その写真では、ウクライナ語、ロシア語、ポーランド語を含め6ヶ国語に堪能な彼が、話せる言語名を手書きで書いたビブスを着ていました。
詳しくは書かれていませんでしたが、きっとウクライナからの避難民を助ける活動に従事しているのでしょう。
ニューヨークでピアノ講師として平和に生活していた彼が、このような行動に出ているわけです。
一方で、前列左端の女性、タチアナ。
彼女はロシア人。10代半ばで家族と一緒にアメリカへ移住してきたと言っていました。
研修生達の寮の朝食時間が始まる7時になって食堂に行くと、「6時から朝練してた!今日もがんばろうね。」と好物のブルーベリーをほおばっていたなぁ。ものすごい努力家で、まわりに気がきく親切な女の子でした。
彼女は当時からオペラのコレペティ(リハーサルピアニスト)になることを目指しており、現在はオーストリアのオペラハウスでコレペティとして働いています。結婚して子どももいるはず。
彼女はいま、どんな思いで日々を過ごしているのだろうか。
芸術に政治は関係ない、とは言い切れない。
芸術に従事している私たちにも、いろいろな事情があるのです。
イゴールの近況を知り、久しぶりに14年前の写真を見て、思ったのでした。
2022年3月現在、
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