稽古場が五つ同時進行していても、出番の組み合わせによっては、そんな事もたまにある。たまにはあるが……。さすがにそろそろ、休みが嬉しいと、無邪気に喜べる時期でもなくなって来たので、思い返せば、あれが最後の半ドンだった、となりそうな予感がする。
そこで、伸び放題の髪を切りに美容室へ。イギリス人らしい、癖っ毛パーマもかけてもらった。美容師さんが、僕の細かいーーめんどくさいーー注文にも嫌な顔一つせず、イメージ通りに、しかも普段も格好良いように上手に仕上げてくれた。いつもありがとうございます。
半ドンだとーーパーマ後でもーー子供達が起きている時間に帰宅する事ができる。家に着くと、ママの真似だろうが、二歳の娘が、パパの頭可愛い、と言ってくれた。ええ子に育ったな……。ホロり。
初日まではまだ一ヶ月程あるが、劇場入りまではあと二週間程。本舞台で稽古できるのはとても有り難いが、五つの稽古場が一つに減るとなると、焦りも感じる。
本番までに慣れれば良いねと、一月からゆるゆる始めていたタップもまだまだ足りないし、傾斜舞台や重たい衣装や靴、ぎゅうぎゅうに人が行き交うダンスナンバーなど、慣れなくてはいけない要素がてんこ盛りだ。
書けば書くほど焦ってきた。
本格的に、休みを無邪気に喜んでいられない時期に差し掛かって来たようだ……。