舞台上で表現したこと、そしてそれを観て感じて頂いた事が全てで、絶対の正解。それ以外はありえない。後から役者がしのごの言うのは、芸人さんが自分のネタの解説をさせられているようでなもので、小っ恥ずかしくもある。
……だけどね。
『エリザベート』も折り返しをだいぶ過ぎ、去年から合わせれば170公演くらい(?)しているので、そろそろこういう事を小出しにしてもいい頃かなと思ったので、ちょっとずつ書いていく。
僕の演じている、主な役所。ハプスブルク家を支える重臣の一人にして、『密告者』。
密告者って、なに?
前のバージョンからずっと思っていたけど、今回自分が演じるにあたって、演出の小池先生から説明があった。曰く、文字数の都合で密告者と日本語を当てているけれど、要するに秘密警察とか、諜報機関にあたる組織の人であると。今風に言うと、つまりはスパイである。おお、急にカッコいい!
と言うわけで、僕はCIA局長のつもりで、日々演じている。
台詞で呼ばれる事はないが、ちゃんと台本には名前もある。僕が「ケンペン男爵」。相方の邦さんが演じるのが「ヒューブナー男爵」。同僚には間違いないけど、どっちの方が偉いのか、よく分からない。時々、グリュンネ伯爵(GOさん)とシュバルツェンベルク公爵(クマさん)がアドリブで名前を呼んでくれる。
『エリザベート』は歴史が長いので、出演者より長くご覧になっている方も多いだろうけど、これほどのマニアックな知識、どれ位の方が知ってるかな?
スパイと言えば、真っ先に思い浮かぶのはジェームズ・ボンドやイーサン・ハントだろうが、僕がケンペン男爵を演じる時にイメージしてるのは、この方。
怒らすと怖いよ。