消費モード | よこけんの右往左往

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「よこけん」こと、 ミュージカル俳優、横沢健司のひびを綴った日記です。

 二十代の頃は、みんな(特にダンサー)がお風呂大好きなのが、よく分からなかった。当時は疲れ知らずで身体もよく動いたし、血行も新陳代謝も良くて、湯船に浸かる時間が惜しいくらい、いつも元気だった。

 ところが今や、毎晩お風呂に浸かって、疲労回復を促し、冷たい水で痛い患部をじっくり冷やすのが必須になってしまった。ヤダヤダ。


 今年の梅雨は蒸し蒸しして、娘がいつも汗だくで髪の毛を頭に貼り付けているのが可哀想で、早くからクーラーをつけていたせいもあってか、汗をかき辛い感があった。

 女優ならありがたがるところだが、これからダイエットに励もうという、おじさん俳優には都合が悪い。汗をかき辛いという事は体温調節が上手に出来ていないという事で、一番怖い熱中症にもなりやすくなってしまう。

 そこで、毎晩半身浴で強制的に滝のような汗をかき、さらに慎重にジョギングを初めて、およそ十日で、ようやく汗をかきやすい身体になってきた。

 汗をかき辛かった時は、どこか体調が悪いんじゃないかと不安にもなったが、かきやすくなってみると、明確にスイッチが切り替わった感じがした。身体がようやく消費モードに入ったようで、これでようやく、ダイエットが捗るというものだ。


 そのおかげで、想定外の副作用もあった。舞台上ではさすがに普通に汗をかいていたのだが、クライマックス、ダンスナンバーが続くシーンにおいて、普通の汗が、尋常じゃない汗にパワーアップした。ひどい時には、顔を流れる汗が目に入って、溺れるんじゃないかと思った。

 あんまり一人だけ汗だくでもおかしいし、どげんかせんといかんと思うけど、ものすごい早替えなんだよなぁ……。