普段はこんなで、野生のかけらも感じさせないうちの子ら。
動物は、絶対に襲われないと確信している時にだけ、上向いて寝るという。ふんずけられそうなリビングのど真ん中でも、しょっちゅうひっくり返って眠っており、お家がそんなに安らげる場所認定されているというのは、飼い主としても嬉しいことだ。
ただ、ご飯の時だけは、最後にチョッピリ残ったなけなしの野生を発揮する。
寝室で上を向いてお布団かぶって寝ていたとしても、ドッグフードの袋をがさっとやる音、あるいは缶詰を開ける音なんかを聞きつけると、寝ぼけ眼でも飛んでくる。
人間のご飯の用意の音には反応しないのに、自分たちのご飯の音は聞き分けているから大したもんだ。
あとは、ここまで来ると野生の神秘だと思うが、僕がこっそりバナナをむいても飛んでくる。
バナナのむける音を聞き分けるのか……。
どっちかが何か貰いに行った気配も、鋭く嗅ぎつける。
貰えるものと貰えないものもちゃんと判別している。僕がコーヒーを開けたり、カップラーメンを作っていても、全然寄ってこない。
この小さなアタマで、色々考えて生きてるんだなー。