近所でいいお店を知っているかどうかで、人生が豊かになるほどの重要さを持っているのが、ラーメン屋だ。いや、本気でそう思う。
博多はさすがに美味しいラーメン屋がたくさんあるし、これまで、ニンニクの香りがたまらないラーメンや、とろけるようなチャーシューのラーメンも食べたことがあるが、残念ながらみんな地方のラーメン屋だった。
地元にもなかなか良いラーメン屋を知っているのだが、電車に乗らなければならないのがちょっぴりネックだ。
やっぱり歩いて行ける範囲にあるとベストなのだが、徒歩圏内にラーメン屋が何件かあるにもかかわらず、今のところ「コレ!」といったお店は見つかっていない。
と言うことは、今現在人生が豊かじゃないということだ。これは由々しき問題だ。
今日は、久しぶりに近所のつけ麺屋に行った。普段あんまり行かないけど、つけ麺屋としてはなかなかのお店。
久しぶりにお店に入ると、……あれ、こんなお店だったかな?どうも内装が若干変わっているようだ。
開店当時は先に食券を買うタイプのお店だったが、今は普通のお店になっていた。しかも、前は無かった普通のラーメンと餃子と炒飯がメニューに増えている。開店当時は、つけ麺専門店なのが売りだったような気がするんだけども。
せっかくなので、一緒にいたこまは昔ながらのつけ麺を、僕は新メニューのラーメンと炒飯のセットを頼んだ。
ラーメンを待ってる間に店内を見回すと、壁一杯にお酒が並んでいるのが目に入った。この辺りはオフィス街なので、飲み屋が多い。と言うか飲み屋ばっかりある。当初はつけ麺屋だったが、やはり土地柄に合わせてお酒の飲めるラーメン屋に変わったのだろう。
さて、注文したものが来ると、どうも懐かしい気配がする。これから足繁く通える、人生が豊かになるようなラーメンであることを祈りながら口に運ぶと……。ああ、やっぱり懐かしい味。
小学生の頃、スケートリンクのフードコートで食べた、出汁もなにもない醤油のスープに、味の濃すぎる全くマッチしていないメンマの乗った、何の特徴もないラーメン。そしてモチモチと柔らかく、人肌の温もりの炒飯。ああ、この店もうダメだ(; ̄Д ̄)
そう確かに、ここは駅前で立地が良すぎるせいか、くるくると店舗の変わる曰く付きの物件なのだ。
諦めてから改めて店内を見渡すと、元々ラーメンを作っていたであろうカウンターの向こう側には小綺麗に皿やコップが並び、スカスカで料理に関わるものは何も置いてなかった。
おそらく、ラーメンは裏でインスタントで作ってるんじゃあるまいか。そう言えば、ご飯時なのに、他の店と違ってガラガラだし、店員さんも少ない。
ここは不況のせいとはまた違いそうだけど、最近潰れるお店をよく見かける。お店を流行らせるのって難しいんだなあ。
人生を豊かにするラーメン屋を求める旅は続く……。