幻のローストビーフ | よこけんの右往左往

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「よこけん」こと、 ミュージカル俳優、横沢健司のひびを綴った日記です。

ちょっと思い出話。

こないだの夫婦ライブの時に、二人だけではやっぱり大変なので、こまの生徒さん数人にお手伝いに来てもらった。

ノーギャラで一日中働いて貰ったので、せめてお弁当くらい良いものを出そうと、奮発して今半のローストビーフ弁当を全員分発注した。

しかしその後、ご存知の方も多いんじゃないかと思われるが、こまが肋骨にヒビを入れ(まあ僕が入れたんだけど)、ご飯を食べるどころではなくなってしまった。

本番では、僕でも分からないくらい、痛みを微塵も感じさせない笑顔で頑張っていたが、裏では痛み止めをガブ飲みし、それでも痛みが収まらなくてずっと床で横になっていた。

あの日は本当によく頑張ったな……。

そんなこんなで、こまはお弁当には一切手を付けず、ライブ後の片付けが大方終わった後に、ポツンとローストビーフ弁当が残っていた。

ダメにしてしまうにはあまりに勿体無いので、僕は余ったケータリングのお菓子と一緒に、お手伝いの生徒さんにお弁当を持って帰って貰った。

その日は、身動きするのも辛そうなこまに代わって僕が帰りの車を運転したり(超ペーパー)、その時はまだ骨折と分かっていなかったので、夜間病院に直行しようかと考えたり、大わらわのまま一日を終えた。

そして翌日、病院に行き診察をしてもらい、痛み止めも貰ってやっと落ち着いたところで、こまに「昨日のローストビーフ弁当食べたかったのにo(`ω´ )o」と言われた。

え、だって、こまが自分でいらないって……あれ?言ってなかったっけ?

よくよく考えてみれば僕の判断で、まさか食欲なんか欠片もないと思ったもんで、こまの許可を取らずにあげちゃったのだった。

今でも、こまの幻の今半のローストビーフ弁当の件を時々言われる。ライブの翌日には、お詫びに今半のお弁当を病床のこまに買って帰ったりはしたんだけどね。すき焼き弁当ではダメらしい。

食べ物の恨みは恐ろしい。この先一生言われそうです。

今半のバンが道路を走っていたのを見て、思い出しブログ。